十三 操り人形の手綱
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前に佇んだかと思うと、直後、破壊された。
「チッ、」
傀儡人形を拳で粉砕した相手から、サソリは距離を取った。
先ほど、自分の傀儡人形を殺到させた場所を振り仰ぐ。
複数の人形に全身を刀で突き刺されている────いのの姿が確かにある。
だが、その瞬間、その場に白煙が舞い上がった。
「【影分身】か…!」
「ご名答。私の親友の得意な術よ」
ただの【分身】とは違って、実体がある【影分身】。
いつの間にか、サソリの操る傀儡人形に変化して、【赤秘技・百機の操演】に紛れ込んでいたいのは、口許に弧を描いた。
「やるな、小娘……」
「アンタもね」
今の一撃でサソリを倒すはずだったいのは、内悔しげにしながらも、拳を前に構えた。
サソリの傀儡人形を次々と操っていたのは、サソリの推測通り、いのである。
山中一族に伝わる秘伝────【心転身の術】を使ったのだ。
相手に自分の精神をぶつけ、相手を乗っ取る術は、強い精神力の持ち主には抵抗されるという欠点がある。
しかしながら、元々、精神がない人形相手なら、話は別だ。
もっともこの術は、以前まではシカマルに相手の動きを止めてもらった上で、使っていた。
しかしながら、修行の成果で、対象が動いていても身体を乗っ取る事が可能となったのだ。
ただし、精神をぶつけて身体を乗っ取る事が出来るのは、現状では直線上の相手のみ、という欠点がある。そして、相手の身体を乗っ取っている際、自分の身体が無防備になってしまうのも変わらないままだ。
よって、その間、無防備になってしまう己の身体はチヨに操ってもらい、いの自身の精神はサソリの傀儡人形を乗っ取っていたのである。
サソリに破壊される間際に、他の人形へと精神を飛ばし、そしてまた、サソリに攻撃を繰り出す。
そうすれば、おのずとサソリの傀儡の数は減るに加え、サソリの得物を奪うことも出来る。
傀儡師のチヨがいるからこそ、出来る作戦だ。
「どうやら、俺の傀儡を操っていたのはお前のようだな」
(流石ね…この術のカラクリに気づいたか)
サソリの発言に、いのは表情にこそ動揺を露わにしなかったが、内心、感嘆する。
自分が術を使って傀儡の制御を奪っていると、サソリが気づいたらしいのを見て取って、いのは一度、本体に戻ると、秘かに影分身をつくったのだ。
そして、いの自身はサソリの傀儡人形に変化したのである。
中忍試験の予選試合で、波風ナルが使用した作戦。
赤丸にすかさず変化し、キバを騙して勝利へと繋がった親友からヒントを得て、いのは影分身を自分と見せかける。
もっとも、『木ノ葉崩し』において、カンクロウと闘った犬塚
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