アキトとビビ
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既にその身に意識はなく、服は無残にも消失し、身体からは血を垂れ流しながら、満身創痍の状態で倒れていたのだ。
その場に居合わせた誰もがアキトの余りの酷い状態に息を呑み、驚愕を隠せなかった。
ナミは涙を流しながらアキトを抱え上げ、助けを呼んでいた。
今でもその時の状況を詳細に思い返すことが出来る。
「何であんなことしたんですか?」
「ビビ……」
胸倉を掴みながら、ビビはアキトへと詰め寄る。
「何で私とペルに何も言うことなくあんな危険なことしたんですか……っ!?」
「……あれが最善にして最高の策だった。ビビもそれは分かっているはずだ」
思案気な表情を浮かべながら、アキトは彼女の問いに応える。
「……」
「ペルさんが爆弾を上空に運び、後は俺が対処する。その方法が一番成功する可能性が高かった」
「あの時の俺の状態ではペルさんを守り切るのは難しい」
「ペルさんは飛行に優れ、俺は防御に優れていた」
所謂、適材適所というやつだ。
そこに何の疑問があるというのだろうか。
「ですがそれではアキトさんが死んでしまうかもしれなかったんですよ!?」
「……」
当然、アキトだって死ぬのは怖い。
しかし、それ以上にあの場ではあの策が最善にして最高の策であったことは間違いないのだ。
それを確実な方法で実行できるのは己のみであった。
「本当に心配したんです」
「アキトさんが死んでしまったのではないかと本当に心配で、心配で……」
見ればビビはアキトの身体に縋り付きながら、泣いていた。
肩を震わせがら、額を胸元に押し付け、アキトの身体を抱き締めている。
「アキトさん、反省してください……」
「……ビビ、すまなかった」
アキトはむせび泣くビビの腰に手を回し、抱き締める。
アキトは自分を心から心配してくれたビビに対して嬉しく感じると同時に、強い後悔の念も感じざるを得ない。
深夜のとある寝室にて2人の男女が月光の下に照らし出される。
アキトはただ、自身の為に涙を流してくれる女性に悔いながら、抱き締めることしか出来なかった。
▽▲▽▲
大浴場にて湯気が立ち昇る。
ナミとビビの2人は互いの背中を流し合っていた。
そんな中、頭上から感じる邪な視線
男風呂と女風呂を仕切る壁を見上げれば、ルフィを含む男勢達が女風呂の中を覗き見ていた。
ルフィにいたってはガン見である。
「ちょっと、皆!?」
ビビは頬を赤らめ、身を抱きしめる。
いくらタオル越しとは言え異性に見られるのは恥ずかしいのだろう。
「あいつら……」
ナミは呆れ返る余り、嘆息してしま
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