ターン91 遊野清明と河風現
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ドラゴネクロは戦闘したモンスターを戦闘破壊させないかわりにその攻撃力を0とし、さらにそれと等しいレベル、攻撃力を持つダークソウル・トークンをプレイヤーのフィールドに特殊召喚する能力を持つ。そう、これもレベルだ。となるとレベルを持たないスパイダー・シャークは、たとえ攻撃されても参照する数値が存在しない以上ドラゴネクロもトークンを生み出せないはずだ。
……となると、現の狙いはグングニール。スパイダー・シャークは相手の攻撃宣言に対してもその強力な効果を発動できるが、攻撃そのものを止められるわけじゃない。しかも悪いことに、今は彼女の方が僕よりもライフが少ない。つまりチキンレースのもう1つの効果により、このライフが逆転するまで彼女はダメージを受けないのだ。
「バトル。ドラゴネクロでグングニールに攻撃、ソウル・クランチ!」
長い首が伸び、氷結の龍の誇り高き魂を噛み砕かんと幽鬼のような顔が迫る。ここでスパイダー・シャークの効果を使えば、グングニールの攻撃力が弱体化したドラゴネクロより上となり返り討ちにできる……でも、駄目だ。仮にそんなことをしたとしても、ドラゴネクロの呪いは止められない。次にグングニールのダークソウル・トークンがグングニールの抜け殻を攻撃した際に打つ手がなくなってしまい、僕のライフが尽きてしまう。
結局、首元にその牙を深々と埋め込まれた氷結界の龍の体から力が、魂が少しずつ抜き取られ、しだいに抵抗が弱々しくなりやがて完全にその目から光が消えうせるのを、僕はただ指をくわえてみていることしかできなかった。
冥界龍 ドラゴネクロ 攻3000→氷結界の龍 グングニール 攻2500
清明 LP2200→1700
「今更言うまでもないだろうけど。ドラゴネクロがレベルを持つ相手モンスターとバトルしたことで、その魂は抜き取られる」
やっと、ドラゴネクロがグングニールの抜け殻を放り出した。だがその口元にはいまだ半透明のグングニールの魂ががっちりと押さえられており、冥界の龍の牙を通じてその内部に少しずつ穢れが入り込んでいく。
氷結界の龍 グングニール 攻2500→0
ダークソウル・トークン 攻2500 ☆7
「続けて、ダークソウル・トークンでグングニールにもう1度攻撃。ダークグレイシャーファランクス!」
「もう1度スパイダー・シャークの効果発動、オーバー・レイン!最後のオーバーレイ・ユニットを使って、相手フィールドの全モンスターの攻撃力をこのターンの間だけ1000ポイントダウンさせる!」
再び噴出した糸が雨のごとく降り注ぎ、冥府の龍と闇に捕らわれた氷結龍の魂の動きを奪う。だがその動きを完全に封殺するには至らず、物言わぬ抜け殻と化したグングニールの体をそのかつての魂が一爪の元
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