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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン91 遊野清明と河風現
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さんに諭され、息を吸って気持ちを静めようとする。多分現は、最後の最後に僕の泣き顔なんて見たくはないだろう。だから辛いだろうに、苦しいだろうにこんな話題まで振ってくれて。稲石さんもそうだった。
 これだけ甘えさせてもらっておいて、まだこっちばかりが苦しい顔なんてできるわけがない。

「ああ、おかげさまで大丈夫だよ、現。3年間ずっと負け越してたけど、最後の最後に遊野清明は河風現に大勝利してぴったり100点、それでめでたく卒業決定。そう決めて、ずっと探してたんだから」
「ふふっ、そうだったんだ。ごめんね、もっと早く、会いに行ければよかったんだけど」
「今だって、まだ遅くはなかったさ」
「ねえ、清明。もっとよく、顔を見せてくれる?」

 腕の中の現の存在が、また更に希薄になる。いよいよ終わりが近いことを本人も察したらしく、最後の力を振り絞って上半身を起こした。だから僕も、その目を覗き込むようにして顔を近づける。じっと目を合わせ……不意に、朗らかに笑いだした。

「ふふふっ、真剣な顔しちゃって。ねえ清明、キスしてあげるって思った?」
「んなっ……!」
「隠してもだーめ。清明って、変なところですっごく真面目なんだもん。もしそんなことしたら、この先ずっと私に悪いからー、とか言って他の子を好きになるのに引け目を感じちゃうでしょ」
「そ、そんなこと」
「ないの?」
「……あるかも」

 ほらね、と得意げな顔になる現。僕はといえば、謎の気まり悪さに必死で耐えていた。こんな最後の最後まで、まるで弱みを表に出さない。強い女の子だ、本当に。とてもじゃないけど、やっぱり彼女には敵わない。

「ちゃんと約束できる?これからもっといい子のことを、私よりずっと大事にしてあげられるって」
「あー、それは」
「ちゃんと目を見て」
「……ハイ」

 しぶしぶ頷くと、よろしい、と頷き返された。

「じゃあこれ、ご褒美ね」

 その言葉の意味を理解するよりも早く首の後ろに手を回され、完全に不意を突いてぐっと下に押し付けられる。彼女の顔がさらに近づくと同時に唇にほんの1瞬触れた、柔らかな感触。

「……!」
「てへ。ごめんね、やっぱり私も我慢できなくて。でも約束、ちゃんと守ってね」

 顔が熱い。頭の中が混乱して、口を開くも言葉が何も出てこない。その時、突然東の空からさっと朝日が差し込んで現の顔を照らした。これ幸いと上空に目を向けると、たった今まで空を覆っていた雲がみるみるうちに消えて朝焼けの空が一面に広がっていく。

「これ……」
「ダークネスが倒れた、そういうこと。今頃はそっちの計画も成功して、はるか未来に飛ばされたのかな」
「じゃ、じゃあ!」
「おめでとう、清明。じゃあ、そろそろ私も時間かな」

 もはやその感触すら希
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