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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン91 遊野清明と河風現
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ベルを持つモンスター3体を攻撃力0、効果を無効にして特殊召喚する」

 龍骨鬼 攻2400→0
 ワイトプリンス 攻0
 ユニゾンビ 攻1300→0

 そして呼び出される、3体のモンスター。だけど問題はそこじゃない、確か未来への思い、あのカードのデメリットは!

「ターンエンド。そしてこのエンドフェイズまでにエクシーズ召喚をしなかったことで、私のライフは4000失われる」
「現っ……!」

 現 LP1000→0

 デュエルは終わった。あれだけの大型モンスターが飛び交い激しく激突した勝負の最後とは思えないほどにあっさりと、全てが消えていった。





「現!」

 目を閉じて糸が切れた人形のように力なく、後ろに倒れこむ現。どうにか間に合って、地面にぶつかる寸前に抱え上げた。そのまま名前を叫んで揺さぶるけれど、反応はなくその体もぐったりしたままだ。

「現……そ、そうだ、チャクチャルさん!僕が勝ったんだよね、なら早く!」
『……無理だ。最初に釘を刺しておいたはずだ、デッキレスなどで逃げられるとそもそもマスターと彼女の間に繋がりが生まれず、私の力も届かないと。最後の最後に自分の手でライフを尽きさせた場合も同じこと、こういった手を使われると私にできる事など何もない』
「ぐ……!」

 確かにこの決戦前、この作戦を決めた時からチャクチャルさんはそんなことを言っていた。どこにも持っていきようのない怒りと焦りが、体中を駆け巡る。

「だ、だったら、僕はこんな勝ち方認めない!こんなやり方で、あの現に勝ったなんて言えるもんか!こんなの無効だ、ありえない、もう1回勝負だ、現!だからお願い、目を覚ましてよ……」
『……やめておけ、マスター。それよりも、ほら』
「え……?」

 チャクチャルさんの押し殺したような声に、再び腕の中の現に目を落とす。ほんのかすかで弱々しくではあるが、その首が多少持ち上がりその目は再び開いていた。口が開き、大儀そうに言葉を絞り出す。

「……あはは。終わったね、清明」
「現!」

 その体を抱き寄せたところで、背筋が寒くなるような事実に気が付いた。ついさっき抱き止めた時、彼女の体はこんな不気味なほど軽くはなかった。でも今の彼女は片手どころか、指1本でも軽々と支えきれるだろう。いたって普通の感触、人間らしい重みすら、彼女の身体からは急速に失われつつある。それは、終わりが近いことを何よりも物語っていた。

「ほらほら、そんな顔しないで、清明。私のことよりも、そうね、清明は大丈夫なの?ちゃんと卒業できる?」
「そんなこと……」
『マスターもとうに気づいているだろうが、もう長くはない。悔いを残さないよう、今のうちに話をしておくことだ』
「うん……」

 チャクチャル
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