ターン91 遊野清明と河風現
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を見せた。
霧の王 攻0→3000
シンクロモンスター、エクシーズモンスター、そして効果モンスター。つい昨日までは、とてもじゃないが想像もしなかったような絵面だ。そしてその努力も、あと1回の攻撃で報われる。河風現に、無双の女王の二つ名に、ついに土をつける時が来た。
「霧の王、これが最後の攻撃だ!ダイレクトアタック、ミスト・ストラングル!」
ダークナイトとドラゴンがこじ開けてくれた結果、もはや現の場にカードは存在しない。この攻撃を、なんとしても届かせる。だがその剣閃は、天から無数に降り注ぎ大地に突き刺さった光の大剣によって阻まれた。
「光の護封霊剣!」
「なっ……」
動きを封じられたのは、霧の王だけではない。グレイドル・ドラゴンも、元より動きのとれないダークナイトも、僕のモンスター全てが光の剣に囲まれ身動きを取れなくなる。これだけ全てを賭けた攻撃だったというのに、またしても届かないというのか。自分の目を、耳を疑い呆然とする僕に、淡々とした中にも隠しきれないほんのかすかな焦りを含んだ現の声がぼんやりと聞こえる。
「……このカードを墓地から除外することで、ターン内の相手の直接攻撃は全て封じられる。危なかった、本当に危なかった。これは、私にとっても最後の1枚だった」
「で、でも、そんなカード……」
答えは聞くまでもないが、それでも口に出さずにはいられなかった。いつの間に、だなんて、現にあのカードを墓地に送る暇があったのは1回しかない。後攻1ターン目、このデュエルが始まってすぐに召喚されて効果を使ったユニゾンビ。ワイトプリンスを墓地に送った方にばかり目が行っていたけれど、あの時あのカードはデッキのアンデット族だけでなく、さらに手札を1枚捨ててもう1度効果を使っていた。手札を、1枚。
あんな最初の最初から、いざという時の奥の手となるような最後の守りを仕込んでいたわけだ。この手札にも、そして僕のモンスターにも、攻撃を封じられた今これ以上彼女のライフを削る手段はない。
『マスター……』
「……わかってる。でもまだ、まだ負けたわけじゃないんだ。最後の最後まで、絶対に諦めてたまるもんか……!KYOUTOUウォーターフロントの効果により、デッキから海亀壊獣ガメシエルをサーチする……!クソッ!」
血を吐くような後悔の声。手札のある1枚、たった今サーチしたガメシエルが見えたからだ。
……海亀壊獣ガメシエル。攻撃力こそレベル8にして2200と特筆すべき数値ではないものの、その効果は場の壊獣カウンター3つをコストに相手のカードの発動を無効にして除外するという協力無比な代物。七皇の剣からのダークナイト、さらにスプリットからのグレイドル・ドラゴンで現の場を焼け野原にする、ここまではいい。もしもその後、バブル
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