ターン91 遊野清明と河風現
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☆1+☆5=☆6
獣神ヴァルカン 攻2000
KYOUTOUウォーターフロント(1)→(3)
2体のモンスターを素材として呼び出されたのは、2足歩行の獣人にして鍛冶屋。場のカードがさらに2枚墓地に送られたことでその輝きを増した灯台の光に照らされたその太い腕に、力強く握りしめられた巨大な鎚がおもむろに地面に振り下ろされた。
「まず、シンクロ召喚に成功したヴァルカンの効果を発動。互いの場で表側のカードを1枚ずつ選んで、それを手札に戻す。ただし私が選んだカードと同名カードは、このターン猛発動できない。KYOUTOUウォーターフロントは壊獣カウンターを身代りに破壊耐性を得るけれど、それもバウンスには無力」
「しまった!」
現の言う通り、これはこのカードの宿命ともいえる弱点だ。場のカードが墓地に行くだけでカウンターが乗るという性質上破壊にはめっぽう強いウォーターフロントも、バウンスや除外には無力。というよりも、そんな除去は最初から想定されていない。せっかく乗った壊獣カウンターごと、灯台が薄れて消えていく。
『しかもチキンレースを回収されたか。ドローはお預けだな』
「墓地に送られたワイトプリンスの効果で、もう1組のワイトとワイト夫人を墓地に。さらに、私の墓地から闇属性モンスターであるワイトと光属性モンスターのワイトプリンセスをゲームから除外して、手札のカオス・ソーサラーを特殊召喚する」
カオス・ソーサラー 攻2300
ヴァルカンの隣に、これは僕も知っているカオスモンスターが並ぶ。最初のワン・フォー・ワンの時点で、すでにここまで計算済みだったわけか。守備姿勢を取るマーメイド・シャークを見て、そのまま伏せカードに視線を移す。まだ、大丈夫だ。このターンは、まだ凌げる。
「カオス・ソーサラーの効果を発動!1ターンに1度自身の攻撃権と引き換えに、場のモンスターを除外する。私が選ぶのは当然、マーメイド・シャーク」
漆黒の魔法使いが右手から光、左手から闇の軌跡を残しつつその両腕をゆっくりと円を描くように回転させる。そしておもむろに組み合わされた光と闇の衝突点から白黒の波動が解き放たれ、マーメイド・シャークを吹き飛ばす。これを防ぐ手立てはなく、また僕のデッキに除外は専門外なため再利用手段はない。お疲れ様、と心の中でねぎらい、次元の狭間へ消えていくその姿を見送った。
これで、僕の場はがら空き。現も言った通りこのターンカオス・ソーサラーはもう攻撃できないから、当然次に彼女はヴァルカンでダイレクトアタックをしてくるはず。だが彼女は、ここでわずかに思案した。
「ねえ、清明。いいもの見せてあげようか」
「……?」
ちょっとお茶しようか、とでも言うかのようなそのフランクさは、この場にはもっともそぐわないも
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