ターン91 遊野清明と河風現
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れた。なら、迷う理由はどこにもない。
「現。僕はこのターン、このカードを使う!」
「それって……白紙の、カード?」
白紙のカードを見せつけるように突き出し、その奥底で眠る力に心の中で呼び掛ける。君が誰かはわからない。だけど、この1回だけでも構わない。お願いだ、僕に力を貸してくれ。僕のことなんてどうだっていい、目の前の彼女を、現のことを。僕の一番大切な人を、この呪われた運命から解き放つために。
するとその瞬間、カードを持つ指先がかっと熱くなった。思わず腕を引き戻すと、白紙のカードがその内側から光を放ち始めている。今まさに、このカードは目覚めようとしていた。
『よくやった、マスター。さあ、何が来る?』
「……ありがとう」
小さく呟くと、さらにその輝きが増していく。そして次の瞬間には、白紙だった面に色が、イラストが、そしてテキストが浮かび上がった。それと同時にその使い方、そしてその奥で僕の声を待つ精霊の思いすらもいっぺんに届く。なるほど。この力なら、確かに。
「まだ僕のターンは始まったばっかりだったね、現。宣言通り、このカードを使わせてもらうよ……このスタンバイフェイズ、通常のドローによって手札に加わったこのカード。RUM−七皇の剣を改めて公開する!」
「そのカードは!」
本来この世界には存在しないはずのエクシーズモンスター、さらにその中でもごく一部にのみ対応する専用サポート。様々な因果や道理を超越し、巡り巡って僕の手元に来たカード。このデュエルの、僕にとって逆転の切り札となるべき1枚。
「そしてこのメインフェイズ。このカードを公開し続けたことで、その発動条件は整った。七皇の剣、発動!」
精一杯に腕を伸ばし、七皇の剣を天高く掲げる。今こそ僕の元に、そしてその力を貸してくれ。
「このカードの発動時に僕はエクストラデッキか墓地からオーバーハンドレッド・ナンバーズ1体を特殊召喚し、さらにその先の境地、カオスの力を解き放つ!No.101!S・H・Ark Knight……そして!」
上空の分厚い雲が割れ、空の彼方からゆっくりと白い箱舟が降りてくる。その中央部から射出されるように漆黒の人型をした何かが飛び出し、上空で静止した箱舟をあとに1人得物らしき真紅の槍を手にこの地上へと降り立った。
だがその姿は、僕がこれまで見てきた2種類のエクシーズモンスターとは異なっていた。オーバーレイ・ユニットが光の球として本体の衛星のように周りを飛び回るのではなく、もっと硬質なクリスタルとなってその足元に配置されていたのだ。
「霖雨蒼生の時は来た、想い託されし不沈の守護者!CNo.10
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