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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン91 遊野清明と河風現
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る力を手に入れたドラゴネクロ……いや、ドラゴキュートスがその白き威容を見せつける。亡者たちの嘆きを、その魂を無差別に取り込み飽くることなく喰らいつくした自己強化の果てのいびつな龍。

「ゴースト・カロンの効果を使うターン、私はドラゴン族以外の特殊召喚が封じられる。だけど逆に言えば、例え何者であろうともその通常召喚が縛られることはない。魔法カード、二重召喚(デュアルサモン)を発動。このカードによって手に入れた2度目の召喚権で、私はこのカードを通常召喚する。その攻撃力は、墓地のワイト及びワイトキング1体につき1000……お出でなさい、ワイトキング」

 地面が爆ぜ、1本の骨の腕が地中から突き出る。ゆっくりと動くその腕が地面を押さえて力を込めると、全身に毛の1本、肉のひとかけらも残っていない藍色の服を着せられた骸骨が地中からその全身をあらわにした。ああ、ついに今回も来てしまったか。正攻法では絶対に勝てない、彼女のエースである骨の王。墓地のワイト及びワイトキング扱いのカードは、合計8枚。

 ワイトキング 攻8000

『これは……その、壮観だな。たった1ターンで攻撃力4000と8000を揃えてきたか』
「驚きはしないよ。現は、彼女は僕の知ってる夢想と同じなんだから。これぐらいのことはやってくる、彼女はいつだってそうだった」

 実際、このまたもやひっくり返された状況を前に、僕は自分でも驚くほどに落ち着いていた。チャクチャルさんにも言った通り、どこかでこうなることがわかっていたのかもしれない。彼女なら、絶対にこの程度の逆境は1ターンで跳ね除けると。

「バトル。まずはワイトキングで怒炎壊獣ドゴランに攻撃、螺旋怪談!」

 ワイトキングがまさに王者の風格すら感じさせるような尊大な足取りで、自分よりも遥かに巨大なドゴランに迫る。そこから放たれる必殺の拳は、いかに壊獣の王とはいえど耐えきれる道理はない。

 ワイトキング 攻8000→怒炎壊獣ドゴラン 攻3000(破壊)
 清明 LP7000→2000
 KYOUTOUウォーターフロント(4)→(5)

「ごふっ!ほ、補給部隊の効果!僕のフィールドでモンスターが破壊されたから、カードを1枚ドロー……!」
『大丈夫か、マスター?』

 初期ライフ全てを持っていってなお余りあるほどの特大ダメージが戦闘を通じてこちらにフィードバックし、呼吸が止まり細胞1つ1つが揺さぶられるほどの衝撃が内臓に直で響く。あの火力馬鹿のラビエル戦ですら、これほどのダメージを1度に受けたことはない。変な話ではあるが、ヒロイック・ギフトによるドローのせいで生まれたこの状況、ヒロイック・ギフトが無ければ死んでいた。

『よし、そんなこと言ってられるうちはまだ余裕あるな。いいか、心が折れたらその時点で負け
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