ターン91 遊野清明と河風現
[13/26]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
(4)
「これでドゴランはこのターン攻撃できない……もっとも、どうせバブル・ブリンガーが残っているからレベル8のドゴランにダイレクトはできないけど。だけどエクシーズモンスターにレベルは存在しない、従ってこっちはこのまま攻撃ができる!行くよ、スパイダー・シャーク!スパイダー・トルネード!」
スパイダー・シャークが俊敏に宙を舞い、致命となるべき一撃を叩き込みに音もなく迫る。その距離が3メートルにまで縮まっても、現は動かなかった。2メートル。それでもまだ、動かない。1メートル。やはり動かず、その端正な顔立ちと相まって彼女は彫像か何かだったかのような錯覚まで起きそうになる。30センチ、20センチ、そしてついに彼女の細い首をスパイダー・シャークの爪が捉えるまで、あとわずか10センチ。そこでついに、彼女が口を開いた。
「惜しかったね、清明……トラップ発動」
No.37 希望識竜スパイダー・シャーク 攻2600→現(直接攻撃)
小さな声だったが、僕の耳にははっきりと届いた。だがそれが聞こえた直後、スパイダー・シャークの攻撃が命中する。土煙がのせいで一時的に視界が奪われる中、何が起きたのか探るため必死に目を凝らす。確かに攻撃は届いたが、デュエルはまだ続いている。一体何のカードで現はこの危機を脱したのか、それがわからない。
それに先に気が付いたのは、チャクチャルさんだった。ほとんど呻くように、してやられたと漏らす。
『マスター。そっちじゃない、手元だ。自分の手元をよく見てみるんだ』
「手元……え?」
清明 LP200→8000
「ラ、ライフが8000も……!?」
「そう。私が発動したカードは、ヒロイック・ギフト。相手ライフが2000以下の時、それを8000に引き上げることでカードを2枚ドローする。そしてチキンレースの効果により、ライフが相手より下のプレイヤーはあらゆるダメージを受け付けない」
「それでチキンレースを、ってことね……」
土煙もようやく晴れてきて、次第に現の姿が見えてくる。やられた。最高の好機だったのに、まんまとやられた。自然と生じた莫大な、この明らかに2枚程度のドローでは割に合わないライフ差だって当然のように攻撃力5桁のワイトキングを繰り出してくる彼女にとってはあって無いようなもので、限りなく低いリスクで敗北を防ぎカードを2枚引いたという結果だけがある。
「ならせめて、僕にも使わせてもらうよ。せっかくライフはあるんだ、メイン2にチキンレースの効果発動。1000ライフを払って1枚ドロー、そして補給部隊をそのまま発動。まさか、こんな緊急防御まで用意してたなんてね」
清明 LP8000→7000
同じ1000ライフを払うにしても、ここでチキンレースを自壊させておけば返しにシ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ