第一章
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マッドサイエンティストと子供
真戸栽炎斗は天才だが天災とさえ呼ばれる位迷惑な一面がある男だ、実験はいいのだがその実験が時々爆発事故等を起こすからだ。
その彼が小学生に理科を教えることになったと聞いてだ、彼を知る誰もがこれはまずいと確信した。
「あいつが子供に理科教えるのか?」
「それも実験を」
「それ止めた方がいいぞ」
「絶対に止めろ」
「さもないと大変なことになるぞ」
「絶対に大惨事になるぞ」
こう口々に言った。
「あいつの実験は確かに凄いよ」
「けれど悪い意味でも凄いからな」
「爆発起こるんだぞ」
「子供がどれだけ危険か」
「それは止めろよ」
「子供が怪我するぞ」
「怪我で済めばいいがな」
とにかく危ないというのだ、だが。
このことは決定した、それで彼等はさらに言った。
「白い死神が遂に犠牲者を出すんだな」
「そのうちと思っていたけれどな」
「しかもそれは前途ある子供達か」
「老害じゃなくてか」
テレビや公共の場で出て来る様な連中が死なずに子供が死ぬことを考えるとだ、彼等はいたたまれなくなった。
「基地の前で騒いでる連中のど真ん中で実験させろよ」
「あいつ等に実験教えればいいだろ」
「何があっても害になる連中しか死なないんだからな」
「そうしろよ、あいつに実験教えさせるなら」
「そうした連中に教えろよ」
考え様によっては炎斗よりも迷惑な連中に対してというのだ。
「そうすればいいだろうに」
「何で子供達をそうするんだ」
「とにかく止めろ」
「さもないと監督付けろ」
実験の場に監視役を置けという者すらいた、それで彼等は見学という名目で炎斗が小学生達に理科それも化学の実験を教える場所に入って彼を監視することにした。
その白衣を着た炎斗にだ、彼等は教える前に言った。
「変なことするなよ」
「相手は子供だからな」
「子供は将来の日本の国の宝だからな」
「事故起こして怪我させるなよ」
「そこはちゃんとしろよ」
「ははは、諸君は心配性だな」
炎斗は彼等を笑い飛ばして応えた。
「私もそこはわかっている」
「いや、わかっていないだろ」
「これまでどれだけ問題起こしてきたんだよ」
「爆発やら何やらな」
「それで安心出来るか」
「本当に子供に危ないことはするわよ」
「心配無用と言っておく」
炎斗は不敵に笑うばかりだった、そしてだった。
子供達に実験を披露して彼等に化学を教えた、その実験はというと。
アルコールランプやマグネシウムを出したごく普通の小学校の授業で行われる様なものだった、ただその実験は。
授業で行われるよりもずっと説明が面白くしかも教科書よりも進んだものだった。それで子供達も明るくだった。
彼の
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