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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第14話:新体制の幕開けー2
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ですか?」

「まあ、多少はな」

その表情を横から見たティアナが声をかけると、ゲオルグは押し殺した声で応じる。
その声にわずかな不機嫌さを感じ取ったティアナは、小さくくすりと笑ってから
ゲオルグに顔を向けて話かけた。

「あのですね、怖いというのとはちょっと違うと思いますよ」

「どういうこと?」

「えっと・・・なんて言ったらいいんでしょうね」

割り込んできたエリーゼの問いに、ティアナは言葉を選んで言いよどむ。
しばし視線を宙にさまよわせて考え込んだのち、ゆっくりと口を開いた。

「ゲオルグさんって、JS事件解決の主要な立役者の一人ですよね。
 しかもそのあとはこの部隊で部隊長を務めてきた。
 どちらも広く報道されてますし、割と有名人なうえに
 功績が知れ渡ってるんで、ちょっと委縮しちゃうみたいです」

「それって、怖いってことじゃないのか?」

「近いですけど、違いますよ。
 たぶん、尊敬で近づきがたいってのが一番近いんじゃないですかね」

「ふぅーん・・・」

ゲオルグはティアナの言葉に納得したようなしていないような、微妙な表情で首をひねる。
そうこうしているうちに隊列は、コースを一周走り終わり訓練施設の前に戻ってきた。

未だに腑に落ちない表情をしているゲオルグに向かって、ティアナは声をかけた。

「気にすることないですよ。 少なくとも嫌ってるわけではないですから」

「そうだな。 ま、そのうち慣れるだろうと思うことにするわ」

ティアナの言葉に納得したのか、ゲオルグは明るい表情を見せてそういうと、
真剣な表情を作ってティアナとエリーゼに向き直った。

「ところで、今日の訓練メニューはどんな感じだ?」

その問いにティアナとエリーゼは姿勢を正す。

「まずは総合アスレチックによる体力強化トレーニングです」

「次いで、1対1での模擬戦闘訓練を実施します」

まずティアナ、次いでエリーゼという順で訓練内容を報告すると、
ゲオルグは神妙な顔でうなずいた。

「了解だ。 事故のないように頼む」

そこで言葉を切ると、ニヤッと笑ってティアナに顔を向けた。

「特に、ティアナ。 お前はあの体力馬鹿の薫陶を受けて育ってるからな。
 アスレチックコースの設定が常人離れしてないか心配だよ」

ゲオルグの言葉を受けたティアナは、小さくため息をついた。

「あのですね、部隊長。 立場上、そういう言葉を聞いてしまうと報告せざるを得ないんですが。
 シュミット3尉もそうですよね?」
 
「ええ、ランスター執務官。 部隊長には悪いけど、やむを得ないわね」

神妙な顔でそう言う2人の言葉に、ゲオルグは引きつった笑みを浮かべて振り返った。
エリ
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