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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第14話:新体制の幕開けー2
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翌朝。
朝まだ早い時間にもかかわらず、ティアナとエリーゼは特殊陸戦部隊の
訓練スペースの前に立っていた。

彼女たちの前にはいくつもの画面が立ち上がり、2人はそれらに目を走らせながら
かなりのスピードでキーを叩いていく。

「・・・じゃあ、戦闘訓練プログラムの設定はこんなとこかしら?」

隣り合って作業をしているエリーゼから声をかけられたティアナは、
一旦手を止めるとエリーゼの前にある画面をのぞき込んだ。

「そうですね・・・。うん、これでいいと思います」

「まったく・・・高性能なのはいいけど、設定する方は面倒ったらないわね」

「そう、ですね・・・」

設定を確認して頷くティアナの言葉に対して、エリーゼは苦笑で応じる。
しかし、ティアナはそんなエリーゼの様子を知ってか知らずか、生返事を返す。
そんな彼女の様子を訝しんだエリーゼは、ティアナの顔をじっと見た。

「どうかしたの?」

エリーゼに声をかけられ、ティアナはハッと顔を上げる。

「昔、6課にいたときにここで訓練を受けてたときは、なのはさんがこの作業を
 ずっとしてくれてたんだなぁ・・・って思って。
 今さらなんですけど、ほんとに恵まれてたんだなって・・・
 ほんと、どうやって恩返ししたらいいのかわからないくらいで・・・」

真剣な表情で訓練スペースを見つめるティアナの頭に、暖かな手が触れる。

「そうね。 まあ、なのはちゃんに対する感謝を忘れずにいればいいんじゃない。
 で、なのはちゃんたちにしてもらったことを後輩たちにしてあげれば、
 それでいいんじゃないかしらね」

エリーゼの言葉にティアナはエリーゼのほうに顔を向けた。

「そうなんでしょうか?」

「さあ?」

肩をすくめて、気の抜けたような声を上げるエリーゼの返答に
ティアナは思わずガクッとずっこけかけた。

「さあ?って・・・」

呆れたような目を向けるティアナに対して、エリーゼは笑みを浮かべる。

「所詮、私がそう思ってるってだけだもの。
 結局は自分がどう納得するかだし、人それぞれでしょ」

「はあ・・・」

ティアナは余計に悩みが深くなったように目を伏せる。

「おはよう」

そのとき、彼女らの後ろから声をかけるものが現れた。
2人が振り返ると、そこには制服姿のゲオルグが立っていた。

「おはようございます」
「おはよう、ゲオルグ」

口々に挨拶を返す2人に、ゲオルグは片手をあげて近づいていく。

「今朝の訓練、見学させてもらっていいかな?」

「見学、ですか? 私はかまいませんが・・・」

「私もかまわないけど、部隊編成を変更してはじめての戦闘訓練よ。
 あんたが見ても仕方ないんじゃ
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