第二章
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「そうでしょ」
「ええ、本当に」
「それも見られるから」
「タナトス様は死神であられることにですか」
「喜びを感じているわ」
「人間劇を観られるからですね」
「その人間がはっきり出たね」
これ以上はないまでにというのだ。
「まさに」
「そういうことですね」
従者も納得した、そしてだった。
タナトスは今日も仕事をした、そしてその仕事が終わってからハーデスに今日の仕事のことを報告したが。
その時にだ、自分の主神にまた言われたのだった。
「これからどうする」
「仕事が終わってですか」
「そうだ、実はポセイドンからいい酒を貰った」
海界の主神彼の兄弟であるその神からというのだ。
「それでだ」
「そのお酒にですか」
「付き合わないか、ペルセポネーにニュクス、ヒュプノスも一緒だ」
冥界の他の神々もいうのだ。
「どうだ」
「それでは」
「うむ、共に飲もう」
こうしてだ、タナトスはハーデス達と共に酒を飲むことになった。冥界の神々が揃って酒を飲んだのだが。
ここでだ、ハーデスは馳走を食べ美酒を飲みつつタナトスを見て思わず笑って言った。
「最後はやはりだな」
「これです」
タナトスは苺のパフェを食べつつハーデスに応えた。
「仕事を終えた後は」
「酒以上にだな」
「神なので年齢は関係ないので」
「酒も飲むがな」
「最後はです」
何といってもとだ、タナトスは苺のパフェを食べつつハーデスに答えた。
「苺のパフェです」
「それだな」
「そうです、これは何といってもです」
「そなたの楽しみだな」
「仕事も好きですが」
「それと同じだけか」
「苺のパフェも好きです、まさにです」
その苺を味わいながらの言葉だった。
「至福の喜びです」
「そうなのか」
「仕事と同じだけ」
「本当に仕事が好きか」
「そしてその仕事と同じだけです」
まさにというのだ。
「苺のパフェも好きです」
「成程な、ではまたな」
「はい、明日ですね」
「頑張ってくれ」
「そうさせて頂きます」
タナトスはハーデスに微笑んで答えた、そして神々の金属であるオリハルコンのスプーンでパフェの最後を食べた。食べ終えたその顔は笑顔だった。
仕事の時に見るもの 完
2018・6・25
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