暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
Alicization
〜終わりと始まりの前奏〜
紅雨
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先に、不幸にも巻き込まれただけだった。
だが、今回は違う。どう見ても、自分から巻き込まれに行っている。
―――そもそも、今回は閣下とシゲさんが中心だとウィルは言っていたが、本当にそうか?こんな大きな流れに対抗する何かを、あの二人は起こせるのか?……いや、違う。問題点はそこじゃない。
そこで狼駕は自らの思惟に一拍を置いた。
まるでそこから先を安易に決定づけたくないように。
―――僕達の行動の先……最終的には、どこに集約されるようになってる――――!?
各国が秘すディープな情報や動向の推移、それらをリークするのは一国の長や一財閥の主といった立場から見れば、まったく理解できないといったこともない。
しかし、本当にそれだけだろうか。
元をただせば、たかだかゲームで知り合った者達が点々バラバラで集めてくる情報など、そこまで大したものじゃない。それこそ閣下ならば―――本当に動かせるかは知らないが―――
秘密情報部
(
SIS
)
とかを動かせるような立場だし、シゲさんに至っては世界規模の黒峰財閥の総帥。入ってくる情報は先進国のそれと比べても遜色はないだろう。
だが、今のところ両者はそれらの諜報活動を最低限レベルに抑えていると聞く。
―――ゲーム内で交わした方が信頼性がある、とか?そんなまさか……。
確かに、報告の大半はALOを通じてのものだが、所詮はデジタルデータの世界。サーバーをハッキングでもすれば音声ログなど獲り放題ではなかろうか。無論、口頭だけではなく、報告書といった形式をとることもあるが、それだって安心はできない。
「……いや、そんな危険を取らなきゃいけないほど、《表》がヤバいってことなのかな」
ぼそり、と。
思わず出てしまった言葉を飲み込むように、瞬時に目線だけ巡らすが、幸いにも声のトーンは微小で行き交う誰にも気にも留められなかった。
恥じるように首筋に手を当て、青年はまたも歩きながら意識を茫洋の彼方へと旅立たせる。
―――だとしたら、それを二人は知って、僕達に頼った……のか?何か違う、何か違和感がある。閣下もだが、意外にシゲさんも慎重さはあまりあるタイプじゃない。どちらかと言えば効率優先。危険があろうとなかろうと、一番手っ取り早い策を取るはずだ。
アインクラッドでの慎重という要素は、いつだって天秤にかけなければいけないジレンマの種だった。
石橋を叩かないと命が幾つあっても足りない。しかし、いちいち叩いていれば攻略組のレベルマージンからたちまち離されてしまう。
その中でも、《六王》の初期中の初期。俗に《原初の六人》とも呼ばれる始まりの六王だったヴォルティスとシゲクニは、なまじ力量が突出しているがゆえに慎重さに欠けるフシがあった。これは多かれ少なかれ、歴代の
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