第2章 項羽と劉邦、あと田忠 〜虞兮虞兮、奈若何〜
第3話 憂国少女、章邯との出会い
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きだった。これならワンチャンあるで。
特に統率と忠義がほぼMAXなのがいいし、詳細鑑定により人格者で俺との相性も良いとでた。
だが、肝心の率いる兵がいない。
趙高のやつが、帝を守るため一兵たりとも裂けない、とか抜かしやがったからだ。
マジコイツ殺したいが、警備が厳重で無理だった。俺は無力だ……。
とりあえず、章邯に接触してみるか。
$月●日
章邯に会ったら、物凄く感動された。
彼女の中では、俺は始皇帝に仕えた悲劇の忠臣らしい。まあ、間違ってはいない。
俺がいれば百人力だとテンション上がってる。
物静かな印象だったけれど、胸に熱いものを秘めている。まだ秦にこれほどの逸材がいたとは……。
それで、兵はどうするの?と聞いたら、任せてくれと断言された。
さて、お手並み拝見といくか。
#月&日
おでれーた。章邯のやつマジぶっとんでやがる。
お姫様のでっかいお墓を作っていた囚人に恩赦を与えて、兵士とする。それが彼女の策だった。
囚人たちはお墓が完成した暁には、殺される予定だった。その数、なんと20万人。
彼らに対して、章邯は大演説をした。物凄く熱い演説だった。
隣で感動していたら、俺もしゃべれと無茶振りされた。
まあ、これでも将軍やってたから慣れてるけれどね。
ちょちょいと前世で好きだった人物の演説を使わせてもらったけれど、セーフだよね?
こうして、20万人は俺たちに忠誠を誓ったのだった。軍勢ゲットだぜ!
◆
周文率いる反乱軍が都に迫る中、宮中の動きは鈍かった。
事実上の実権を握る趙高は、己の権力の維持にしか興味がなく、内部の粛清ばかりしていた。
おかげで、討伐軍を派遣しようにも、それを率いる将がいない。
趙高とて、馬鹿ではない。内心では焦りを感じていたが、それ以上に自分の権益が奪われることを恐れていた。
誰もが何もできない中で、ただ一人、真剣に国を憂えている少女がいた。章邯である。
彼女は、文官でありながら、祖国を救いたい一心で、趙高に直談判していた。
自殺行為に等しい暴挙であったが、幸い趙高は、彼女に反乱軍の討伐を命じた。彼女は賭けに勝ったのだ。
しかし、帝を守るためと言って趙高は、章邯に一兵たりとも与えなかった。
章邯は涼し気な顔で策を語り、見事軍勢を確保する許可がでた。
「軍勢はいりません。ただ、先帝の陵墓を造り終え殺される運命の囚人を助命してください。彼らを私にお与え下さればよろしい」
囚人たちのもとへと向かう章邯だったが、思いもかけぬ出会いがあった。
「章邯殿だね。貴女の憂国の思いに感動した。ぜひ、私を末席に加えて欲しい」
「あなたは!?」
そこに現れたるは、始皇帝に仕えた悲劇の仙
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