EX回:第67話(改1.8)<刺客>
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様に手こずっていた。
『相手は手慣れね』
女性秘書官は、そう言いながら敵の背後から短銃で狙いをつける。
だが赤城さんが無言で、それを制止した。やはり卑怯なマネはしたくないのだろう。
すると女性秘書官は、ちょっと恥ずかしそうに銃を収めた。
それをチラッと見た龍田さん。敵と剣で押し合っていたが『はぁっ!』という気合と同時に相手をなぎ払った。敵の短剣が鋭い金属音と共に空中へ飛び去る。
一瞬ひるんだ相手に龍田さんは思いっきり剣を振り下ろした。
「グフ!」
鈍い音と共に打撃を受けた敵は水中へ落下。奇妙な雄叫びと共に水中へ沈んでいく。
それを見下ろした龍田さん、軽く額を拭ってニヤリとした。
「みね打ちよ。それでも死ぬほど痛いけど」
日向の相手は、それを見てちょっと怯んだらしい。
龍田さんは、それを知ってか自分の剣を軽く確認しながら呟く。
「痛くて、しばらく泳げないわよぉ。水死しないでね」
(怖い……)
私は苦笑した。
その隙を突いて日向も刀を一振りした。
「ごあぁ」
図太い声を立てた敵は、そのまま後ろ向きに水中へ落下。
日向は表情を変えず刀を持ったまま祈るような仕草をして鞘に収める。
二人の活躍で、このエリアの流れが変わった。他の敵が少し後退する。
改めてブルネイ提督は言う。
「脱出するなら今だな」
「ああ」
そのときブルネイ側の警察担当者が駆け寄ってきた。彼の顔はススで真っ黒だった。
『はぁ、はぁ、申し訳ない!』
『大丈夫か?』
『王宮男性』が問い掛けると彼は息を切らしながら途切れ勝ちに報告する。
『我々の巡視艇は軒並み大破。援軍に駆けつけた水上警察のフネも破壊されました。軍関係も同様です』
『王宮男性』は金剛たちをチラッと見てから私たちに向き直った。
『……仕方ないのう』
女性秘書官も確認する。
『今のうちに退去されますか?』
男性は大きく頷いた。
『帝国海軍の事情も良く分かった。一日も早く、わが国への艦娘部隊の駐留と警備、防衛を切に願う』
何か、すごく威厳がある。
『ハッ』
思わず私とブルネイ提督は敬礼した。
『お嬢さん、こんな荷物で申し訳ないが頼むぞ』
笑いながら彼は、とても丁寧に艦娘たちに頭を下げる。
やはりオーラが違う。この人は普通の人でなく高い立場の人なのだ。
『了解です!』
二人揃って応えた金剛と比叡。頼もしい。
以下魔除け
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