第一章 護れなかった少年
第三十二話 鬼ごっこ
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場所に行くぞ」
「「了解!!」」
このまま行けばあと3――いや、残り2分。逃げ切れる!!
次のポイントもさっきと同じ、上の広い裏路地のような細い路地。
が、さっきと同じように直ぐに見つかる。すぐさま移動を開始し、どうにか振り切って別の場所へ。
次の場所でも隠れて数秒もしないうちに見つかる。が、それだけだ。ここでも追いかけてくるような様子は無く簡単に逃げ切れた。もう残り時間は一分切った。
(おかしい......何故追いかけてこない......?)
それが分からず、形勢は有利。もう半分切ったと言うのに嫌な汗が止まらない。走りながら、ただひたすら走りながら思う。そういえば、さっきからザザとジョニーブラックしか見ていない。Pohの姿が無い。
......もし、もし仮に。
『もし仮に、誘導されているとしたら?』
そんな考えが頭をよぎる。不自然な事が多すぎる。
(くそッ!! 仕方無い。マップで調べよう。まだ行き止まりのような外環には達していないはず――!?)
マップ上の自分を表す矢印は、既に外環の直ぐそこに来ていた。後ろ、そして左右しかない行き止まり。
「だ、ダメだ!! 進路を変え――」
「Wow.気づくのが遅すぎたな」
ガシャン、という無機質な破壊音と共にそんな声が後ろから響く。そこにいたのはPoh......だけだった。確かに後ろを着いてきていたハズのアンスはもう、すでに物言わぬエフェクトとなっていた。
「アンス!?」
メイが悲鳴を上げる。そんなメイを地面に下ろし、Pohと向き合う。
「てめぇら......何か仕込みやがったな!?」
「Marvelous!! 気づいたか」
「流石にこんだけ、綺麗に誘導されりゃあな」
ギリィ、と奥歯が音を立てて軋む。さて、この窮地、どう突破する......? 前にはPoh。後ろはがら空きだが、今背を向けたら殺られる。かと言ってこのまま膠着してザザやジョニー・ブラックに追いつかれてもアウト。
......逃げるタイミングは今しか無い。が、俺はSTR、DEFに重点的に振っており、AGIはそんなに高いわけじゃ無い。
考えろ。考えろ。思考を止めるな。かといって熟考するな。そんな時間はない。閃け。残り時間あと一分。
「さて、存分に楽しんでもらえたかな?」
「ああ、こんなにスリリングな瞬間は初めてだぜ......!」
「good!! それは良かった。だが残念。もうすぐ閉幕だ。さぁ、最後の一瞬まで綺麗に足掻いて見せてくれ。 It's show time!!」
そう笑いながらPohは自身の獲物を構える。このままじゃ......確実に死ぬ。殺される。どうにかしてでも――
死ぬ
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