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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第百十五話
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能に陥りかねない行為だが、一夏は難なく同調を進める。

「きた」

波長が重なり、一夏の右手から円香へ向けて力が流れる。

「円香、気を巡らせるからこの感覚をよく覚えておくんだ」

「わかった。おぼえる」

円香の心臓から指先へ向けて、指先から心臓へ向けて、力が流れる。

力が循環する。

動脈と静脈に沿うように、力が行き渡る。

「手、離すぞ」

「うん」

そっと、一夏が円香の背から手を離した。

「そうだ、そのまま力の流れを意識し続けるんだ。その内無意識にでも出来るようになるから」

次に一夏はエレンとリムを呼ぶ。

「首筋さわるぞ」

後ろから二人の首筋に触れる。

ゆっくりと包み込むように気を流す。

「暖かい…です」

「うん…きもちい…」

二人の指の末端まで行き渡った一夏の気が、二人を温かく包み込む。

「うみゅ…」

「ふみぃ…」

やがてアルシャーヴィン姉妹の目がトロン…とし始める。

「まぁ…いいか。二人共、眠いなら寝ていいぞ」

「「みゅぅ…」」

二人からかくん…と力が抜けた。

「箒の時もそうだったが…何故寝るんだろうな」

「お前の腕に抱かれているような安心感を感じるからな」

「そんな物なのか?」

「今度お前にもしてやろう」

一夏の袖を円香が引く。

「ん?」

「ん!」

「ん?」

「ん」

「ん」

一夏がアルシャーヴィン姉妹の首筋から手を離し、円香の首筋に手を当てる。

「まて一夏、円香。何故今ので伝わるんだ」

「「兄妹だから!」」

「そうか」

円香の体が一夏の気に包まれ始める。

「はにゃぁ……おにーちゃんに抱っこされてるみたい…」

「それは良かった。俺じゃお前を包み込むようには抱けんからな」

やがて円香の目蓋も重くなる。

「お休み、円香」

「おやしゅみぃ…」

円香からも力が抜ける。

「箒」

「ああ、わかっている」

一夏と箒は座ったまま眠った三人をベッドに寝かせ、部屋を後にした。

部屋には、気持ち良さそうな寝息だけが微かに響いていた。
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