第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#54
FAREWELL CAUSATION]W〜Ragnar?k Bastard〜
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キョーイン!
ビビって腰抜けてンなら無理にとはいわねーがよ!」
いつも通りの美女の声、だがその裡に底知れない狂暴さと獰猛さを交わらせて
振り上げられた腕の先からより蒼い斬閃が迸る。
内側からとはいえ鉄壁の防御力を誇る繭が薄紙のように引き裂かれ、
飛沫の向こうに無数の巨体の一部が視界に飛び込んできた。
『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
――――――――――――――――――――――――ッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!』
両腕を押し広げ天空へと蒼き咆吼をあげる美女、
否、蹂躙の狂戦士。
さざめく水面と震える大気。
その狂声に対し余りにも小さなその存在へ
ゆっくり、本当にゆっくりとだが10の巨人が頭を向け
真王のみが巨眼を歪ませる。
『いっくぜえええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!』
「無茶苦茶だ! どうなっても知りませんよ!」
精神はマルコシアスだが躰はマージョリーである“彼”を
放っておくわけには於かず、花京院は半ばヤケクソ気味に繭から飛び出す。
「無謀はやめるのであります! 蛮勇を誇るような相手ではないのであります!」
珍しく声を荒げた淑女の静止を背後に、
その相対速度から花京院とスタンドを完全に置き去りにしたマルコシアスは
急激に真王との距離、「死の射程距離」を強引に引き寄せる。
その第一の関門、即ち地獄門、大地の巨人へと
真正面から直線上に飛び掛かる。
目標までまだ数十メートルあるというのに無造作に伸びてきた腕、
極大質量の移動により突き出す腕すら外敵を吹き飛ばす風圧となる
一撃を旋風の如き旋廻で躱しマルコシアスは目標地点、
ソコしか狙ってなかった首筋へと達する。
だが出した攻撃は意外! 法儀による爪撃でも焔儀による乱弾でもない、
そのまま突進の勢いを殺さず“咬みついた”
ヴァッグアァ!!!!
突進の勢いがあったため殆ど土塊に滅り込むように、
音が聞こえたのはその首が4分の1ほど内部から
剥切れ飛んだからだ。
明らかに美女の細い顎、フレイムヘイズの咬合力で有っても
成し得るような技ではない、技ですらない。
純粋な暴力、純粋な暴虐、ただただ単なる蹂躙の現れ、
更に喰い千切った己の体積の数倍はあろうかという
大地の皮膜を加えたままようやく美女の姿が視界に入る。
『不味ッッッじぃンだよ! クソが!!』
皮膜を吐き捨てると同時に首の|土塊《つち
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