五章『称号』
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「最強、ねぇ・・・・」
そう言いながら狩人は下をうつむく。彼の表情はどことなく聞き慣れている感じのものだ。
「お前は?」
「・・・鈴木、鈴木良之助(すずきりょうのすけ)です」
「良之助、か・・・」
相変わらず笑った顔を絶さない勇次郎。と、今度は良之助から顔を上げて喋り始める。
「ここまで来てもらって、いきなりこんなこと言うのは大変失礼なんですけども・・・」
「ん?」
「出来るだけ早くもとの世界へ帰る事を薦めますよ」
「この世界は貴方が想像するほど過酷な世界ですから」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「嫌だね」
「あー・・・言うかと思った」
さっきのまで沈黙で察し、呆れる顔で落ち込む良之助。一方の勇次郎は前よりももっと笑みを作っていた。
それも、まるでイヤと言われて逆にやりたくなる、子供が作るイタズラ小僧のようなものだ。
「良之助、この世界には一体なにがいる?」
「・・・・・どうしてもこの世界で暮らすつもりですか」
「当然だ」
「・・・はぁ」
これ以上どうこう言っても無駄であろうと理解する良之助。仕方なく、彼は彼なりにこの世界の説明を行った。
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《リオレウス》。またの名を《火竜》。
腕が翼と化した、俗に言う飛竜(ワイバーン)。この世界では、最も代表的なモンスターで体長は平均で約18M、大きいもので20Mは余裕で超えると言う。
火竜の他にも《空の王者》とも呼ばれ、その名の通り極めて高い飛行能力を有する。また、後ろ足には猛毒が生まれつき染み込んでおり、高度からの奇襲にも長け非常に威力の高い蹴りも繰り出す。
彼がいればその環境はすぐさま彼が王者になってもおかしくはないだろう。
もっとも、彼よりも危険度の高いモンスターがそこに現れなかったらの話だが。
《ティガレックス》。またの名を《轟竜》。
彼もまた飛竜の仲間なのだが大きさはともかく、リオレウスとは違い普段は後ろ足のみで過ごすものの、戦闘体制は前足さえも地面につけ、四つん這いのようになる。
彼は飛竜でありながら翼を持つものの、飛ぶことが苦手。
しかし、そ
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