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サトシのイッシュ冒険記 〜真実の救世主〜
冒険の夜明け
EP1 はじめての場所、はじめての風の臭い、はじめてじゃないのはこのドキドキ!
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年がやって来た。茶色寄りの黒髪で、赤いキャップを被った少年だ。

「いよいよだな。オレのトレーナーとしての第一歩」

少年はそう言って、1つのモンスターボールを取り出して投げた。ボールからサンダーズが出て来た。

「サンダース。今日、ポケモン貰うんだ。お前の友達もできるぜ」

サンダースは嬉しそうにした。何故イッシュ地方にサンダースがいるのか。それは、少年の家庭事情にある。

少年の母はイッシュの人間だが、父はカントー出身なのだ。父は、カントー地方のタマムシシティにあるタマムシ大学で自然科学系の教授として単身赴任している。年に2,3回カントーに遊びに来る。その際にイーブイに懐かれて、家族同然に過ごして来たのだ。

バトルの特訓をした結果、雷の石で立派なサンダースとなった。

「行こうぜ、サンダース」

サンダースをボールに戻し、アララギ研究所に入ろうとする。

「おや、君も来てたのかい?田舎者の血が半分混じった欠陥品の分際で。良い身分だね」

気取った様な声が聞こえた。少年が振り向くと、そこにはカメラを首に掛けた金髪の少年がいた。帽子の少年に向けるその表情は、完全に侮蔑そのものだった。

「シューティー……!」ギロリと睨み付ける少年。

「フン。ハーフのお前なんて取るに足らないのさ、トウヤ」

「言いたい事はそれだけかよ、基本厨。オレはオレのやり方で、リーグチャンピオンを目指す。お前の押し付ける基本なんて御免だな!」

「ポケモンは進化させてこそ強くなる。そんな基本的な事も分からないお前に負ける気がしないな。不純物のお前に、僕が基本を教えてあげるよ」

見た者全員が、殴り飛ばしたくなるような意地の悪い笑みを浮かべて、シューティーはさっさと中に入って行った。

「行こうぜ、サンダース」

サンダースをボールに戻し、トウヤは研究所に入って行く。

*

サトシがピカチュウにフカマルと遊んでいる頃の事だった。最初にシューティー、少ししてトウヤが来た。

「博士。今日ポケモンを貰いに来た2人がやってきました!」

「分かったわ。サトシ君を呼んで来てくれる?」

助手に指示を出して、アララギ博士はシューティーとトウヤの応対に当たった。

「はぁい。ようこそアララギ研究所へ」

「こんにちは、アララギ博士」

トウヤは礼儀正しく、ペコリとお辞儀する。シューティーは無言だった。トウヤを見る眼はゴミでも見る様なものだったが、流石に目上の人間の前で露骨な態度を示す程愚かではなかった。

「えぇ。さて、この中から最初のポケモンを選んでね」

そう言って、1匹ずつポケモンを出す。

「右から草タイプのツタージ。炎タイプのポカブ。水タイプのミジュマルよ」

ツタージャ
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