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ONE PIECEを知らないエヴァンジェリン中将が原作を破壊するようです
第1章 ネオオハラ・イン・ブリザード
第5話 サウロの蒔いた種
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、いや、あの姿は!?」

 島から巨人が海に飛び込む轟音とともに、船が大波に揺られた。

「いかん、あれがこちらに被害を出す前に、打って出る! この場の指揮は任せたぞ!」

 何かの聞き違いだろうか。中将が副官に指揮権を委譲すると言っているような。
 いや、それ以前に打って出るとはどういう――。

「カモミール大佐! 砲撃の嵐の中ですよ!?」
「ははは、お前はうちの船の新入りだったな。何の心配もいらん。中将殿は砲弾程度ではびくともしない防御力を誇っているのだから」

 驚きの表情を浮かべる従卒にドヤ顔をすると、エヴァンジェリンは見事な敬礼をする副官に指揮権を委譲して巨人の元へと向かおうとする。
 ふわりと浮かぶ彼女の姿に気負いはない。現に砲撃の嵐の中、たとえ命中してもびくともせずに飛行していく姿がみえた。
 本来やってはいけないことだが、飛翔術を使える彼女が単騎で暴れたほうが効果的なのだ。
 砲弾でも彼女の魔術障壁を傷つけることは能わない。

「強靭! 無敵! 最強!」
「ヒナ吃驚(びっくり)
「さすがエヴァンジェリン中将だ、なんともないぜ!」

 何事か雄たけびを上げながら、エヴァンジェリンが急行した先には巨大な人影。
 
「チッ、裏切り者の死にぞこないが居たとはなぁ――――そこをどけえええぇ!!」

 エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル、出撃。




「ぬおおおォオ……! こりゃワシを狙って来とるでよ!!」

 いつもの笑いを抑え真剣な表情をした巨人族ハグワール・D・サウロは焦燥感に駆られていた。
 巨大な的と成りえるサウロに向かって戦艦からいくつもの砲弾が放たれる。
 降り注ぐ砲弾の中をサウロは手の中にロビンを納めて走った。


 ニコ・ロビン――考古学者の卵である幼い彼女は数奇な運命の下こうしてサウロに助けられていた。


 発端は数日前である。
 

 悪魔の実の能力者として町人から迫害を受けていた少女ロビンは、いつものように海岸へと来ていた。
 そこで出会ったのが、傷だらけのサウロだった。
 孤独な少女と心優しい巨人は暖かな交流を交わす。
 しかし、ロビンが考古学者であることと、地名を聞いたサウロは驚愕の表情を浮かべた。そして、彼女にいったのだ。


 ”オハラから今すぐ逃げろ” と。


 はいそうですか、とはいかない。理由を尋ねると、オハラは世界を滅ぼす研究をしているらしい。
 だから、世界政府は海軍を向かわせてオハラを抹殺する気なのだと。

「馬鹿かしい。そんなわけないじゃない!」
「そうだでな。それはブラフだ。本当の目的は――歴史の本文(ポーネグリフ)に記された空白の100年の『真実の歴史』だろうで」 
「……」
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