第十二章 魔法女子ほのか最終回 そして
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降りて、ふと振り返ると、そこにはもう、飛行船は存在していなかった。
砂浜の上に、錆びた金属粉がさらさら散っていたが、風にかき混ぜられて、それがそこにあったという痕跡を残すものは、もうなにもなく。
ただ二人が手を繋いで砂浜に立っているという現実があるばかりであった。
優しく輝いている太陽を、ほのかは見上げた。
エンディングテーマが、流れ始めた。
後期より使用されている、「素敵だね」である。
砂浜を歩くほのかたち。
場面が、ほのかの家に切り替わる。
小さな家に、父、母、ほのか、こはる。
こはるは、相変わらずぶすっとしたつまらなそうな顔をしている。
日曜大工をする父を見ているこはる。
こはるは真似して、真似どころか素晴らしいテーブルを作り上げてしまう。
料理を作る母を見ているこはる。
掃除しているほのかを見ているこはる。
ほのかの、手編みのニット帽をかぶせてもらうこはる。
あまりの下手さに、ほつれてボロボロだが、ほのかのはもっとボロボロだ。
笑い、謝るほのか。編み直そうと、返してもらおうとするが、こはるは渡さす、かぶり続ける。
なお流れているエンディングは、最終回ということでフルバージョンである。
♪♪♪♪♪♪
そっと目を閉じていた
波音ただ聞いていた
黄昏が線になって
すべてが闇に溶け
気付けば泣いていた
こらえ星空見上げる
崩れそうなつらさの中
からだふるわせ笑った
生きてくっていうことは
辛く悲しいものだけど
それでも地を踏みしめて
歩いてくしかないよね
笑えるって素敵だね
泣けるって素敵だね
もう迷わず
輝ける場所がきっと
待っているから
星は隠れ陽はまた登る
暖かく優しく包む
永遠の中
出会えたこの奇跡に
どこまでも飛べる きっと
幸せは大きいより
ささやかがいいよね
胸のポケットに入れて
大切に育てられる
もし見失って
立ち止まっていたら
そのまま耳を澄ませば
必ず呼んでいるから
この世にいることに
意味があるかは分からない
それでもその笑顔を
守りたいと思うから
笑えるって素敵だね
泣けるって素敵だね
強がらずに
優しさを分かち合おうよ
意味など考えずに
見上げれば青い空
大地には花 風は静か
信じてるから
もう二度とない奇跡に
また歩き出せる きっと
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