暁 〜小説投稿サイト〜
没ストーリー倉庫
=体育祭編= ベッドセレクト
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
うなほどからからだったので水を飲ませてもらった。

「轟くんも途中までいたんだけど、用事あって帰っちゃったよ」
「そっか。轟、トーナメントでは勝ったか?」
「爆豪くんに負けて2位だった」
「熾烈な戦いだった……と言いたい所だが、少々呆気ない幕切れだったな」

 成程、大体原作通りらしい。飯田が途中で帰ったとかその辺は一緒だったが、付母神ちゃんが鬼神の如き戦いっぷりで爆豪撃破寸前までいって株を上げたとか初耳情報もあった。俺?聞くな、今の有様で察してる。

「緑谷も相当なケガだったけど、疲労の度合いなら水落石のが上だって。ほぼ全身筋肉痛!筋が切れたり肉離れしてないのが奇跡なぐらいだったってさ」
「俺も見ていたが、水落石……あの野獣の如き挙動は何だ?轟は個性の暴走かと予想していたが、お前の個性は……」
『アンナウゴキデキタノカ?』
「俺の個性はあくまでカンがいいだけだよ。自力であんな動き出来るなら入試でやってるっつの。まぁそういう訳で、今回の事は俺にも全然わからないんだよ」

 今までの俺の人生の中でも、身体能力上げるような便利な効果を発揮したことは一度たりともない。そういう力ではないとずっと思ってたし、未来も予知出来て身体能力も強化出来る個性とかチートにも程がある。個性と個性が混ざって強化されたりと言う事はあるが、複数の個性を自然に人がもつことはない。轟の個性とて片手で炎と氷を同時に操れないように、複合した個性にも一定の制約が発生するものだ。

 ともすると、最悪「俺の個性は元ある大きな個性のうちの可能性の発露に過ぎない」という事もありえるのか?……くそ、分からん。ともかく、喋ることさえちょっとしんどい現状を鑑みたリカバリーガールの声が入り、別れの挨拶やら感謝やらを済ませた二人は医務室を去っていった。
 さて、ここからは大人のお話だ。相澤先生が端的に質問してくる。

「一応事務的に確認しとく。今までああいった異常な動きをしたことはないんだな?」
「はい、断言していいです。或いは外部から人の能力を強化する特異個性で干渉されたとか……?」
「ありえんな。そういった手合いの個性は発動条件が接触か距離と決まっている。そういった不正を排除する対策はしてあった。お前が変なドーピング薬でも盛られてない限り、内的な問題だ。こいつは一度個性専門の医者に診てもらった方がいい」
「………そうだね。曲解すれば『超感覚』という個性を獣的な感覚として捉え、その延長で身体能力向上のような力が偶発的に目覚めた解釈することは出来るけど、順序がちぐはくというか、唐突過ぎるよ」
「個性によるものだというのは疑いようもないが、あの状態に対するお前の所見は?」
「………こう、背中から絶え間なく、凄い量の『個性の燃料』みたいなものをドバドバ注がれた感じです。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ