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異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
馬車の中にて
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馬車というものはいつ乗っても、よく揺れると俺は思う。
馬車といっても、個室のような部屋を引くのではなく、簡単な布のほろを張った雨よけが上の方についている荷台のようなものだ。
そこに俺たちは入り込んだ形である。
ちなみに今回の客は俺達だけらしかったのと、小型の馬車だったのもあって、俺たちが乗り込むと結構いっぱいいっぱいな風だった。
この時間はそれほど乗る人がいないそうで、馬車も小型で本数が少ないらしい。
そんな話を世間話で馬車のおじさんから聞いたが、途中から俺は話せなくなった。
理由は馬車に酔ったからだ。
事前にこの世界で販売されている酔い止めを飲んでおいたから、大丈夫ではあったが、
「……元の世界のバスや車は素晴らしいと思わざるおえない。前の世界で慣れたと思ったけれどあれは緊張していただけだ。うう……」
「ソウタ、大丈夫?」
エイダが心配そうにのぞき込んでくるが、俺はそれどころではない。
他にもレオノーラやハデスも俺の方をのぞき込んでいるが、それを考える余裕はない。
どうしよう、この振動を緩和できるような何か……。
「そうだ、俺のチート能力はアレだった」
前の世界では少しでも魔力の節約をということで使っていなくて、こっちの世界でもその癖が出てしまったが……現状ではあのミシェルが何とかしてくれるからそこまで気にしなくていいだろう。
だから多少この世界では俺の好きなように、無駄遣いをしてもかまわないだろう。
俺はそう思ってスプリングの付いた椅子のようなものが存在するような魔法を使った。
体が少し宙に浮いているが、これぐらいならば大して魔力は消費しない。
おかげで少し体が楽になった。
そう思っていると代わりに別の事が気になってくる。
それは“視線”だ。
明け方の“闇ギルド”の連中と同じもの。
観測しているだけで攻撃の様子はない。
だからまだ放っておいてもよさそうだと俺は思う。
どうやら俺たちの後の馬車に乗っているらしい。
軽くここ周辺の状況を見てみるが、普通に魔物たちがいるくらいで特に何もなさそうだ。
そう思いながら小声でエイダ達に、
「“闇ギルド”達がこちらの後の馬車に乗ってこちらを見ているようだが、気づいたか?」
「! 気づかなかった」
「妾もじゃ」
「……ずっと見られていましたね」
どうやらハデスだけ気づいたらしい。
だが真剣に感覚を研ぎ澄ませるとレオノーラもエイダも気づいたようだ。
そしてエイダが、
「しばらく様子見ね。こちらも戦闘せずに力を温存しておきたいし」
と言って俺たちは頷く。
それから揺れを感じなくなった俺は普通にエイダ達と話していて、俺の拘束の話になり、エイダが
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