選手交代だ
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『このウソップ様に不可能なんてあると思うか?』
決め顔、これ以上ない程の決め顔である。
ウソップは自身の長っ鼻に親指を突きつけ、豪語した。
『ありがとう、ウソップ!じゃあお願いね!』
『おう、じゃあ材料費のことなんだが……』
それでは早速、必要経費である材料費の話に取り掛かろう。
『ありがとう、大好きウソップ!じゃあよろしくお願いね!』
『いや、あの、ちょっと……』
待て、どこか雲行きが怪しい。
有無を言わせぬ勢いでナミはウソップに捲し立て、退室していった。
『じゃあ、お願いね!』
『おーい、ちょっと?』
瞬く間にその場を静寂が支配する。
ウソップは事態に付いていけなかった。
『……』
仕方ない、アキトに材料費の件をお願いしてみることをウソップは決意した。
『なあ、アキト……』
『……?』
その後、ウソップは申し訳なさ一杯の気持ちでアキトへと話し掛ける。
何も知らないアキトの純粋な目が痛い、ウソップは切実にそう思った。
『ナミの新しい武器の材料費のことなんだが、……』
『これぐらいか?』
しかし、アキトはウソップが材料費の件を伝える前に札束の束を差し出した。
かなりの大金だ。
いや、先ずそのお金、どこから出したの?
『いやいや、こんなにいらねェって!?』
『……?』
アキトが不思議気に首を傾げる。
『ナミの新しい武器の材料費でお金が必要なんだろ?』
『確かにそうだけど!そもそもアキトが払う必要はないんだって!?』
やばい、言っていることが滅茶苦茶だ。
アキトに資金協力をお願いしているというのにこの言い分は何だ。
『確かにそうかもしれないが、俺は別に気にしない』
アキトは札束をウソップへ強引に手渡す。
『お金は使ってなんぼだし、ナミが強くなろうとしているんだろ?』
『ならこれは必要経費だ』
ウソップはアキトの気前の良さに涙を禁じ得なかった。
感傷に浸るウソップを他所にアキトは目の前から悠々と立ち去っていく。
アキトさん、あんたぐう聖やぜ……
この日、この場所で一人の男が一人の男に憧れを抱き、静かに涙を流した。
そして、そんな裏事情について露知らずの状態のナミはMs.ダブルフィンガーと相まみえる。
同時刻、異なる場所ではゾロはMr.1と激戦を繰り広げ、サンジはMr.2ボン・クレーと戦闘を開始し、ウソップとチョッパーはMr.4&Ms.メリークリスマスペアと相対するのであった。
▽▲▽▲
アラバスタ王国全土を血と争いの戦火が照らし出す。
今や、国王軍と反乱軍
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