選手交代だ
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メリー号の船内にはウソップのトンカチを振るう音が鳴り響く。
幸せそうに寝息を立てるチョッパーの姿も
『新しい武器を作って欲しい?』
『そ、私の新しい武器』
対面するはナミとウソップの2人
ナミは胡坐をかきながらウソップに頼み込んでいた。
『ほら、私って戦闘員じゃないし……』
『スタイルも良くて、可愛いって自負してるけど……』
『いや、何一人語り始めてんだ、お前……』
頭大丈夫?、と言わんばかりにウソップは怪訝な表情を浮かべる。
『せめて皆の迷惑にならないくらいには強くなってビビを助けたいの……!』
『ナミ……』
ウソップ工場で腕を振るいながらウソップはナミの言わんとすることを理解した。
足手まといにならないために、ビビの手助けをするためにナミは力を求めているのだと
『それに、ドラム王国ではアキトに沢山迷惑をかけちゃったし……』
『いや、そのことならアキトは別に気にしてないと思うぜ』
アキトはそこまで心が狭い男ではないことは分かっている。
故にウソップはそれはナミの杞憂であることを指摘した。
『うん、分かってるの。……アキトは強くて、優しくて、カッコ良くて、何処か掴みどころがない時があるけど、何よりも仲間を大切にする人だって……』
『……』
え、何惚気話始めてるの?、ウソップは思わず困惑する。
しかし、困惑するウソップに構わずナミは独白を続けた。
『だけど、私が気にするの。ドラム王国でも無理しちゃって今は万全の状態じゃないってことも聞いているし、また私が見ていない時にアキトは無理しちゃうんじゃないかって……』
『それは……』
その可能性は一概に否定できない。
普段は何でもないと言わんばかりに平静を崩さないアキトだが、あくまでアキトも一人の人間だ。
いつ無理して、倒れてしまうかも分からない。
『だから少しでもアキトの傍に並び立って、アキトを支えなきゃって思ったの』
『……』
だが、それは……
果たしてどれだけ困難な道なのだろうか。
アキトの実力は自分達の中でも群を抜いている。
ナミのアキトへの想いは素晴らしいものだが、決して楽な道のりではないだろう。
『うん、分かってる。それが決して楽な道のりじゃないことは。だけど、それでも私は強くなりたいの』
ナミは顔を伏し、表情を窺い知ることはできない。
だが、彼女から伝わる熱意は相当なものであった。
『……よし、お前の気持ちしかとこの男ウソップ受け取った』
ならばこの男ウソップ、その想いに応えなければならないだろう。
『え、それじゃあ……』
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