閑話3その隻眼に映るものは(クラリッサ)【表】昼の部
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クラリッサ・ハルフォーフはドイツのIS配備特殊部隊『シュヴァルツェ・ハーゼ』の副隊長である。
そう、世界のパワーバランスを容易く変えるISの副隊長。
つまりは世界を変革する戦力の一端を担っている、と言っても過言ではない。
そのためこの身に降りかかる、ストレス、プレッシャーは余人の想像を絶する。
だから…………
だからである。
「ちょっと奮発して、大量の漫画を買うぐらい、いーじゃん」
「限度を考えろ!」
一抱えくらいの段ボールが二十個ほど山積みになったぐらいで、怒るとは大人げない。
私の前で青筋を立てて怒っているメガネ君の名前は山田太郎。
最近、軍医の知り合いのつてでドイツに来た。ジャパニーズである。
つまりは私の大好きな少女漫画の聖地から来た男である。
なのに何故、そんなに怒るのか?
「クラリス、俺に言った言葉をもう一度言ってみろ」
「40(シリーズ)くらい少女漫画買ったから、本棚作って」
「ああ、お前を甘く見ていたよ、まさか小さな本棚作れば良いと思っていたら、この様さ…………」
漫画の段ボール横に、大型のドアのような厚さと大きさの段ボールが複数鎮座している。
うんうん、注文通り、本棚も来てくれたわ。
「しかも、大型本棚を組み立て式で注文してるとは…………」
「組み立て済だと、何か仕掛けられてるといけないからな。この状態でスキャンすれば、簡単に盗聴器とか分かるし」
「なんでそこで胸を張ってるんだ!」
「…………何?もう触りたくなったの?でも日が高いからなぁ」
そう口にしたクラリッサの頬を太郎は容赦なく、両手で掴んだ。
「おーまーえーわー!」
「いふぁい、いふぁいよたほう(いたい、いたいよ太郎)」
乙女の柔肌を強引に触るとは、これが太郎じゃなきゃ銃で両足撃ってるんだからね?
一通り頬を引っ張った後、片手で額を押さえた太郎は、私に午後の教練を代わりに取るように言って、工具箱の方に向かった。
文句を言っても結局やってくれる太郎は、やっぱり優しいなあと思いました(感想)
この後、急に教鞭がとれなくなった太郎の事情をラウラ様と部下が聞いてきたので、私の本棚の件を正直に話したら、その場で正座&説教させられました。
解せぬ。
お仕置き正座も三時間を過ぎ、そろそろ足の感覚が無くなってきたので、そろそろこっそり崩そうとしたら、ラウラ様が気づいた。
「いかん、副官のお仕置きなんてしてる場合ではない。お兄様を手伝わないと」
そこに気づくとは…………やはり天才か…………
あ、ちょっと待って、足が痺れて直ぐには立てないぃー!
5分ほど足の痺れをとってから、皆の元へ向かう。
ふ、
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