SAO:tr8―ビーストテイマー―
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中層にいて私の知らないところで可愛らしい少女と一緒にいるのだろうか。
…………とりあえず深く考えずに追いかけてみるか。
私は兄と少女を追うことにした。とはいえ、追いかけながら声をかけるのもあれなんで、立ち止まったところで声をかけるよう調整はした。
転移門広場を横切り、北へ延びるメインストリートへ足を踏み入れると、そこには兄と少女が会話をしていた。
「キリト」
「ん? げぇっ」
私は兄に声をかけると、それに反応した兄がゲゲッと怪訝な顔をして驚いていた。さてはここで会うとは微塵も思わなかったな。
「な、なんでお前がこんなところにいるんだよ!」
「いや、それはこっちの台詞でもあるんだけど……まあ、事情があるからかな」
兄との会話をしていると、兄の隣にいるツインテールの少女が不思議そうな目で私を見ていた。
「ねぇ、その子は誰っすか?」
「ああ、この子は……」
兄が話し始めようとした時、ツインテールの少女の口が開いた。
「あ、あの、あたしシリカと言います」
シリカちゃんか。可愛いな。
「あの、その……」
シリカちゃんは何か躊躇いつつおどおどしながらも踏み込んだ言葉を投げかけてきた。
「き、キリトさんと親しい様子でしたが……ど、どう言ったご関係なのですか?」
「婚約者二号」
「ふぇっ!?」
私が即答で言った嘘にシリカは顔を真っ赤にして驚いていた。ああぁ〜その反応が可愛らしい〜。
なんて裕福感を味わっていると兄がどついてきやがった。
「いったっ! 実の妹にどつくとか、そんな非情なこと良くできるね!」
「うるせぇ、マジな顔して嘘つくんじゃねぇよ」
「ひ、酷いわキリト君! もしかして私のことは遊びだったのね!?」
「悪ノリもするな」
「あだっ」
再び兄にどつかれた。そんな兄はやれやれ系主人公みたいなため息をつきながらシリカに訂正の言葉を送った。
「すまんな、シリカ。こいつはキリカ、俺の双子の妹ではっきり言えば変人だ。関わらない方が身の安全となる。それとこいつの発言は嘘しかないから気にしない方がいい」
やれやれと言った具合にかっこつけですかお兄様ぁ? モテる男は辛いっすねぇ。なんて茶化してやりたいところだけど、なこういう会話でシリカちゃんが置いてけぼりになるのは目に見えているので、ここらで区切りをつけるために黙ることにした。私っておっとなー。
「えっと、その……双子なんですか?」
戸惑いながらもシリカちゃんは私と兄を見比べる。
「そうそう。ごめんね、嘘ついちゃって。いやー実の兄が一緒に女の子といるからやきもきしちゃって、思わずからかっちゃった」
「やきもきなんかしないだろ」
シリカちゃんと一緒にいたこと
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