SAO:tr8―ビーストテイマー―
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も皆にユニークスキルを披露したんだ。そんな面白い情報を今更なかったことにするわけがない。しかも、ボスを倒したから新聞の一面は確実だな。
それでも私のはなんとか誤魔化して欲しいなぁ…………こればかりは祈るしかないね。
「せいぜい、人気アイドルの不倫騒動体験でもすればいいんだわ」
「もっとめでたいスクープに例えてよ……」
「そんなめでたいと思えるのは今のうちよ。今のうちに正しい謝罪のお言葉でも考えていたら?」
「謝罪するようなことしていないんだが!?」
「あるわよ、私に対して」
「それ個人的だし、私ドウセツにそんな不快なこと」
「なんか気に入らない」
「すげぇ理不尽!!」
しばらくドウセツと他愛ない会話? 私が理不尽に罵られる会話を挟みながらやりくりして今日は別れることにした。
「それじゃあ、私はこれで……」
「あ、うん。じゃあね」
「またね、キリカ」
ドウセツは別れを言うと、転移門に入ってどこかえと転移して行った。
さてと、明日の危機をどうやって回避しようと思った時、一通のメールが届いた。
「メール?」
てっき兄からだと思いきや、
「お……」
送り主は過去に出会った“竜を友とする妹似の少女”からのメールだった。
「行きますか」
送り主にメールで返し、今日は彼女と久々に会うことにしよう。
私の数少ない……友達にね。
●
それはまだ最前線が五十五層の時のこと。
いろいろと訳が合って、私は兄と一緒に行動するようなことはなくなった。それでも兄との交流は続いている。だけど前みたいに兄が隣にいてゲームクリアを目指して攻略することはなくなった。
この時、私はとある事情から一時期最前線から離れ、中層プレイヤーの主戦場となっている三十五層の主街区に来ていた。
そこに目に映ったのは、数名の男たちが一人の少女に声をかけている光景だった。
遠目で見る限り、声をかけられている少女はかなり可愛かった。世の男性が声をかけられるのは仕方がないと思うほどルックスは高い。あと、ツインテールがすげぇ似合っていて可愛かった。
そしてその少女はどこか困っている感じがした。少なくともちやほやされてほしい感じではない。ナンパされていて困っている感じか、それともパーティーの勧誘を受けているって感じなのかな?
ならば助けるか?
そう思った時、少女が頭をペコペコと下げながら早足でその場から去ろうとしていた。その時に少女は一人の男性プレイヤーが身に着けているコートの袖の部分を引っ張っていた。その肝心な男性プレイヤーは意外な人物だった。
「あ、兄?」
少女と共にこの場から去ろうとしていたのは、私と同じ攻略組の一人でもあり、私の兄でもあるキリト。その実の兄が何故、
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