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オーバーロード 狼牙 2
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両面表の特性金貨を投げ渡したんだからな。セバスも弾いた時点で気付いている。もう少し皆にも自分というものを出してもらいたい。あまり溜め込みすぎると色々なものが歪む。

「表にございます」

「では行くとするか。セバス、ユリ、供をしろ。モモンガさんはどうします?」

「私はこんな姿ですからね。ここからサポートしますよ」

「そうですか。とりあえず、村人に友好的な関係を築く形に持っていきます」

モモンガさんと打ち合わせをしながらPvP用の装備からPK用の装備に変更する。ピッチリとした全身タイツに全身を覆うマントとシンプルなPK用の装備が、一瞬で先ほど覗いた冒険者の1人の格好に切り替わる。

これはオレが課金してデータクリスタルを追加して搭載した能力で、見たことのある装備に外見だけをコピーすることが出来る能力だ。他にも姿を切り替える装備はあるが、ステータスが大幅に劣化してしまうので神話級に課金して能力を追加したのだ。最も、課金を行なっても他のギルメンの神話級装備に劣るためにPvP用の神話級装備と奥の手の神話級装備を所有する羽目になっている。

「近くまでゲートをお願いします。セバス、先行しろ。ユリは一応護衛に付け」

「「畏まりました」」

モモンガさんがゲートを開くと同時にセバスが飛び込み、遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモートビューイング)の中では姉妹らしき少女に斬りかかる兵士を殴り殺していた。

「では行こうかユリ」

ユリを引き連れてゲートを潜り抜ける。自然の香りに咽そうになるのを我慢し、自然に振る舞う。

「セバス、兵士の強さはどれぐらいだった」

「はっ、おそらくですが、5前後かと」

兵士のレベルが5?

「セバス、ユリを連れて村を襲っている兵士を殲滅しろ。隊長と副長は生きたまま捕まえろ」

「それではヴァイト様の護衛が」

「Lv.5がどうやってオレを倒すっていうんだ、ユリ?モモンガさんも見てくれているんだ。手が足りなければ応援も送られてくるさ。助けれるだけ助けてきなさい」

「「ありがとうございます」」

村の方へと二人が走って向かうのを見送り、兵士に襲われていた姉妹に向き直る。姉の方が斬られたのか、背中からかなりの出血を負っているが、アドレナリンで痛みを感じていないのだろう。必至に妹を抱きしめて庇おうとしている。そんな二人に近づいてしゃがみ込む。とりあえず魔法の実験体になってもらおう。

「今治してやる。軽傷治癒(ライト・ヒーリング)

第1位階魔法である軽傷治癒を姉にかけてやる。それだけで傷が完全に治ってしまう。本当にレベルがゴミなのだとこれではっきりとしてしまった。中傷治癒(ミドル・キュア・ウーンズ)なんかを使ったら腕すら生えてきそうだ。服の破損も|修復
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