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オーバーロード 狼牙 2
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う一人戦士系がいたのだろうが、ゴブリンに食われていた。

「モモンガさん、確かこの組み合わせってチュートリアルの最後のボス戦ですよね」

「そうですね。単独で推奨レベルが8だったはずですけど。奇襲で戦士職が即死したとしても立て直すのは問題ないはずなんですが」

「大分弱いんでしょうか?呪文詠唱者もさっきのパーティーには見当たらないですし。もうちょっと調査が必要ですね」

「地域によって強さが変わってくるのでしょうか?とりあえず、ナザリック周辺に脅威は確認されませんね。さすがにあの森の中を一々調べるのは面倒ですし、アウラに調査させましょう。マーレには大きな仕事を任せているのに、アウラに任せられる大きな仕事が欲しかったところなんですよ」

「そうしましょう。ただ、基本的には調査だけにしておきましょう。使い方は色々ありますから」

「使い道?あっ、まさか冒険者になるつもりですか!?」

モモンガさんが立ち上がるのに釣られてモモンガさんの遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモートビューイング)の視点がずれ、気になるものが映る。

「モモンガさん、ストップ」

視点が高すぎて対象が小さいが、これは、襲われてるな。賊かなと思い、拡大してもらえば兵士の格好をした者達が村人を襲っているようだった。それを見ても、殺し方が下手だなとしか思えなかった。

「モモンガさん、どう感じます?」

「なんというか、映画を見ている感じというか、あまり感情が動かないですね。リアルならかわいそうぐらいは感じていたはずなのに」

「やっぱりですか。オレも兵士の手際が悪いとしか思えないんですよ。種族に引っ張られてますね」

「そうですね。それにしても、どうしましょう?」

これが野党の類が襲っているのなら躊躇いなく介入していたが、兵士ということは国を相手取る必要がある。まだこの世界の戦力がどの程度のものなのか分かっていない以上、敵にはしたくない。だが、貴重な情報源を得ることも出来る。正直に言えばどちらでも良い。国自体を敵に回さなければいいだけだからな。なら神様に任せるのも手だな。ユグドラシル金貨を1枚取り出してセバスに投げ渡す。

「セバス、表が出れば助けに行く。裏が出れば介入しない。お前がやれ」

「私がですか?」

「そうだ。オレもモモンガさんもどちらでも良いと思っている。だが、お前とユリは助けに行きたそうだ。だからチャンスをやる」

「ですが」

「オレ達二人は表を出すのを期待している。楽しませれば褒美にちょっとした褒美を与える。普通のことだ、セバス」

「では、失礼致します」

セバスが右手で金貨を弾き、左手の甲で受けて右手で押さえる。セバスの身体能力なら好きな面を出すことは可能だ。最も、そんな小細工は必要ない。
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