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オーバーロード 狼牙 2
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物をかけておく。MPは十分に余っているので問題ない。

向かってくる先頭の騎士は今の所、この世界で見る最高レベルの騎士だ。30ちょい、40はないな。それでも真面目に20時間ほどプレイしたユグドラシルプレイヤーに劣るレベルだ。その騎士が私達の前で停まり、名乗りあげる。ユグドラシルの衰退期はカンストまでがチュートリアルの世紀末だからな。

「私はリ・エスティーぜ王国の戦士長ガゼフ・ストロノーフだ!!王命により、帝国の襲撃から民を守るために村々を回っている」

目線で隣りにいる村長に確認する。

「噂通りのお姿です。おそらく本人で間違いないかと」

「分かった。オレはナインズ・オウン・ゴールのヴァイトだ。偶然に立ち寄ったこの村を襲っていた兵士共を排除した。隣りにいる村長が証人だ」

「ナインズ・オウン・ゴール?」

「故郷の言葉で『9人のバカ野郎ども』と言う意味だ。貴族とその従者でありながら偽名で冒険者まがいのことをしている9人組だ。我々は転移魔法の実験事故でこの付近に飛ばされ、成り行きで帝国の兵と交戦することになった。何か問題はあるか」

「いや、問題はないだろう。ここには帝国の兵士はやってきていない。不幸なことに森からモンスターが襲いかかってきた。そうだな、村長」

「はっ、はい。そのとおりです。怪我人はこちらの方々が救ってくれました」

「そうだったか、ヴァイト殿、ありがとうございます」

「こっちも情報が知りたかったから礼を言われるほどじゃないさ。出来ればでいいのだが、このあたりの常識を教えてもらえないだろうか?」

「構わないと言いたいのだが、少し待って、いや、正直に話そう。帝国の狙いはおそらくは私なのだ」

「ストロノーフ殿が?」

「おそらくだが。だが、襲われた他の村が普通の兵士の略奪とは異なる動きを見せているのだ。私の性格を読んだ動きがある」

「性格を読んだ?」

「襲われた村は極少数の生き残りがいる。それも多少の怪我をして、放置しておけば命はないような生き残りが」

「殺すよりも重症を負わせることで敵の勢いを落とす戦術があるが、それをやられたか。どれだけ削られている」

「……7割」

「7割!?正気か、ストロノーフ殿」

今この場には14人しか居ない。そもそも総数50人というのも少ない。普通はその倍の100はいるはずだ。

「ストロノーフ殿、分かっているのか?身内にも敵がいるような状態だぞ」

「分かっている。だが、私は剣を振ることしかできん男だ」

「やっぱり何も分かっていないな。知ろうともしなかったか。未来を予知してやろう。お前はこのあと、死ぬ。ここにいる部下諸共だ。その後、ここには居ない部下は隊を解散され、バラバラになる。そこで不満を漏らし、身内
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