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オーバーロード 狼牙 2
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ぞっとする。

その後、アイテムボックスからPvP用でリアル軍隊のような神話級装備を取り出して着替え、お守り兼サブウェポンのリアルでも使っていたグロックの魔力弾を放つタイプを腰のホルスターに収める。タクティカルベストにはスクロールを詰め込んであり、取り出さずとも好きな体の部位から放てるようになっている。それに加えて課金で装備できる指輪の限界数である10を超えるための重課金アイテムである指輪を追加で5個つけることが出来るチェーンを首にかけて服の中にしまい込む。

「モモンガさんの執務室に行く。二人共下がっていいぞ。必要になれば改めて呼ぶ」

「「畏まりました」」

リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを使用してモモンガさんの部屋に転移する。

「おはようございます、モモンガさん」

「おはようございます、ヴァイトさん。それってPvP用の装備でしたよね。久しぶりに見ましたよ」

「ファンタジー感をぶち壊しにするんで好きじゃないんですけどね。何が起こるかわからないのならPK用装備のままだと咄嗟に反応できないかもしれませんから。所であれから分かったことはありますか?」

「そうですね。微妙にユグドラシルのシステムが残っている部分が幾つか」

「興味深いですね。例えば?」

「私だと職業レベルの問題で剣なんかは持つことは出来ても、振ろうとすると手から滑り落ちてしまうんですよ。おそらくは防具なんかも意味を成さないかと」

「まあ、そこは良いと思いますよ。ユグドラシルの感覚のままで戦えば良いんですから。むしろ逆に出来なくなったことは?」

「今の所は確認されていません。ああ、一つ問題が。やはりユグドラシル金貨の補充が難しいようです。警戒に出ていたセバスがゴブリンを狩ったのですが、死体が残っただけです。私も一匹狩って見たのですが、結果は同じです」

「となると、エクスチェンジボックスしか補充の宛がありませんね」

初期の頃だけお世話になるエクスチェンジボックスというのがある。アイテムを突っ込むと金貨になるというのだが、ユグドラシルの店舗では買い取りが存在しないのでドロップか、他のプレイヤーとの売買か、エクスチェンジボックスでしかユグドラシル金貨を得る方法はない。

だが、エクスチェンジボックスの変換率はレベル15ぐらいまではお世話になるかもしれない程度なのだ。ドロップアイテムは次の段階の武器の素材に、エクスチェンジボックスに突っ込むぐらいなら覚えたての範囲魔法で格下の雑魚を纏めて薙ぎ払う方が手っ取り早くなってくるのだ。

「変換率の調査が入りますね。手が足りないですね。使うだけならともかく返還率の調査になるとデミウルゴスに任せたいところですが」

「……いや、もう一人だけ任せられそうなNPCが居るんです」
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