暁 〜小説投稿サイト〜
雲は遠くて
141章 音楽に世の中を良くするパワーはあるのか?
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
しようとしても、
いつまでも理解できないことばかりで、チンプンカンプンで、
よく理解できないんですよ。あっははは」

「そんな、しんちゃんが好きです!」

 さっきの最前列にいる女子高生がそう言った。

「あっはは。ありがとう!まあ、宗教の話は、抜きにしたほうが、
おれの講演の場合は、いいのかも知れないんです。
世界の平和ために、役立つ、そんなパワーは、音楽にはあるか?といった話ですから。あっははは。
まあ、おれも、高校生のときに、おれたちって、魂のようなもので、
どこかにある『魂の海』のような世界からやって来ているんだろうな!ってことくらいは、
考えましたよ。何かの宗教とかには、まったく、(たよ)りもしなし、参考もしないでね。
直観というか、インスピレーションだけでね。そのくらいのことは誰にだって思いつくと思います」

「おれも、魂のことを時々考えるんですよ。おれも、しんちゃんや稲盛さんに同感します!」

 最前列に座る、(さわ)やかなショートヘアスタイルの男子高校生がそう言った。

「あっはは、そうですか、それは良かった。ちょっと、空想や想像をふくらませれば、
誰だって、思いつけるような、むずかしい話じゃないですよね。あっははは。
まあ、そんなわけで、おれも、この稲盛さんのお考えには、全面的に共感しますし、賛成なんです。
音楽作りとか、ほかの芸術活動でも、そうでしょうけど、
心や魂を(みが)いて、創作に向かうしか、良い作品作りなどは、できないわけですからね。
有名な心理学博士のウエイン・W・ダイヤーも、その著書の『ザ・シフト』の26ページでは、
こんなことを語っています。
『この人生の旅で最大のレッスンは、自分は生死を超えた永遠の魂の存在だと、
意識することなのです。
肉体とは、精神(魂)の本質であるエネルギーが形をなしたものです。』と。
まあ、魂の存在とかって、神の存在と同じように、
その存在証明をするとは、人間には不可能に近いことのように思います。
しかし、魂の存在すると、仮定したり、想像しないことには、この世界の謎が解決できないのだと、
おれには思えるのです。魂については、稲盛さんのお話のように考えれば、
すべてが、おれには解決するように思えるのです。
みなさんにも、この話にご理解いただけえば、うれしいです。
こういう魂の話の観点から考えれば、良い音楽は、おれたちには必要であり、
良い音楽には、人々や世界を、幸福へと(みちび)くパワーがあることを、
ご理解していただけるだろうと思います。
あと、もうひとつですが、お話をさせていただいて、この講演を終了したいと思います。
2012年に87歳でご逝去(せいきょ)された詩人で思想家の吉本隆明さんが、
『生涯現役』とい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ