第六十六話
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府なんかに飛ばしたりして、練度の低い艦娘だけにした。んで、そいつらを人質にしたと。」
俺は答えを言った。拓海は、正解、と言ってため息をついた。
「そのあとは、大和をあの場所に監禁して、今に至るってことだろうね…………歪んだ愛ってのは怖いねぇ…………。」
しかし、そうなると分からないことが一つ。
「じゃあさ、なんでその無茶苦茶な艦隊運営を今の今まで続けたんだ?大和を監禁したなら、それで十分じゃないか。」
「千尋はさ、手に入れた一冊のピンク雑誌を、一生使うのかい?」
俺の質問に、拓海はすぐに聞き返した。これも、答えを言っているようなものだった。
「……たぶん、大和を監禁して、もしその事実を知る艦娘が居なくなったら…………そう考えたんだろうね。」
「…………下衆がっ!」
俺はそう吐き捨てると、壁を思いっきり殴った。壁は、拳の形に綺麗に凹んでいた。
「だけど、恐らくそれは大丈夫だ。ここには、三年間生き残り続けてきた艦娘が、一人だけいる。」
俺はそれを聞いて、少しホッとした。と言っても、それまでの何十人の艦娘は、そんな下衆野郎のせいで、意味なく死んでしまったのかと思うと、心苦しいものがある。
「取り合えず、この件に関しては大輝さんと話し合おうと思う…………できれば大和は、呉に帰るのが一番いいんだけどね。」
拓海がそんなことを呟いたときだった。
「…………大和を見つけたのか。」
その冷たい声は、突然として廊下に響いた。
「…………んで、どうするんだ?お前たちも、あの狂人と同じことをするのか?」
「…………まさか、と言っても、君は信じないんだろう?」
まあな、と、若葉は笑った。俺達は笑えなかった。
「…………一つ覚えておけ。私の目が黒い限り、大和や皆には、手を出させないからな。木曾、お前もだ。」
若葉は俺達をひとしきり睨み付けると、クルリと回って去っていった。
「…………あれか。」
俺は拓海に確認してみた。
「…………あれだよ。」
拓海はそう言うと、更にため息をついた。
「ありゃあ、相当時間が掛かりそうだね…………正直、戦力として使えたら、かなり大きいんだけどね…………。」
「…………どれくらいだ?」
俺は拓海の呟きに対して質問してみた。若葉に関しては、昨日のG事件以来、色々と思うところがある。
「…………君は、『魔神木曾』を天才だと思うかい?」
拓海は突然、木曾のことを話し始めた。
「…………いや、アイツは努力の天才ではあっても、戦闘の
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