暁 〜小説投稿サイト〜
新世紀エヴァンゲリオン Another/EndlessWORLD
第二話 エンドレス・ナイト
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
ァーから起き上がり、僕は玄関のドアを開ける。
「やぁ、おはよう」
やはり。この人か。
「加持さん…今、何時だと思ってるんですか?」
加持 リョウジ。
僕は、この人の事を詳しくは知らない。知ってるのは名前と好きなタイプの女性、趣味でスイカを作っており、たまに持ってきてくれる。そんな関係で、その程度の関係だ。
「何時って、朝の6時前だが?」
加持は右腕に巻かれた腕時計で時間を確認し呟いた。
「いや、こんな朝早くに迷惑ですよ」
こんなに朝早くに人の家を尋ねるのは迷惑な事だって僕でも分かる。まぁ、尋ねる人なんていないけどさ。
「健康の秘訣は早寝早起きだよ。ほら、朝日もこんなに綺麗だ」
そう言って加持は、一歩横にズレると────太陽の光が、僕を照らした。
「眩し…」
…くは無かった。昼間の暑苦しい太陽の光とは違う光だ。
ゆっくりと目を開けて太陽の光に改めて触れてみる。
それは…温かくてポカポカして少し懐かしく感じた。
「な、いいものだろう?」
「まぁ、それなりに…」
そう、それなりに…。
久々に味わった朝日の心地良さは中々良かった。でも、それだけた。
「で、こんな朝早くに何の用ですか?」
要件無しに、こんな朝方に来るなんて事は無いだろう。エヴァ関連の件だと判断するが…。
「なに、ちょっと人手が欲しくてね」


「ふぅ…」
一面のスイカ畑。
余分大きく実ったスイカの数々、こういうちゃんとした『畑』と呼ばれるものを目にすのは生まれて初めてだった。
そして、こうやって間近でスイカに触れて周りに生えた余分な雑草を取り除くのも初めての経験だった。
「なかなか面白いものだろう?」
スーツ姿で身を伏せ、シャツの袖を折り、農業をする人の被っている帽子を被りながら農作業に勤しんでいる加持 リョウジは言った。
「なんで、スーツ姿で農作業なんかしてるんです?」
「仕事の関係上、手持ちの服はスーツしか無くてね」
「他の服とか買わないんですか?」
「欲しい、とは思うけど買いたいとは思わないね。これくらいの作業なら別にスーツでも問題ないさ」
「でも、汚れちゃいますよ?」
「農作業ってのは汚れてなんぼさ」
何故か説得力のある発言だった。
「そういう君も学校の制服だけど大丈夫なのか?」
「僕も、服はこれしか持ってませんから」
家に帰れば同じ制服が何着もある。汚れても何ら問題はない。
「君こそ他の服を買わないのかい?」
「買ってもいいですけど…服は服だから」
お洒落したいとかカッコ良くなりたいとか…そういう願望を持っていないから制服だけなんだと僕は思う。まぁ、他が単に色んな服を着回すのが面倒だから買わない、というのも多少は有ると思う。
「勿体無いな。君のルックスは中々のモノだ。それなりに決めればモテモテだぞ?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ