第54話 養子はテンプレ
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ていた病院であったという少女だが、母親が昨年無くなって今里親捜しの真っ最中なんだが」
キャゼルヌ先輩の顔が困惑である。
「やはり、帝国貴族の私生児じゃ引き取り手はありませんか」
「知っていたか」
「もの凄く寂しそうな姿が、気になったので人事課で少々調べました」
「リーファ、それは不味いんじゃないか、個人情報の漏洩に繋がるぞ」
「まあ、蛇の道は蛇と申しますから、情報部にちょいちょいと」
キャゼルヌ先輩とヤン先輩が頭を抱え始めた。
「まあ、いい。リーファじゃ仕方ないと諦めよう」
「そうですよ、浮気調査から私生児まで何でもござれです」
「よしてくれ、頼むからな」
「前向きに検討したく存じます」
「まあ仕方ない」
「考える気ないな」
キャゼルヌが溜息をつきながら、書類を捲る。
「カーテローゼ・フォン・クロイツェル、784年6月26日生まれの9歳、亡命貴族エリザベート・ローザライン・フォン・クロイツェル中尉の私生児。父親は不明。母親クロイツェル中尉は放射線障害で昨年12月10日に死去、その後里親先を探すも帝国貴族の私生児と言う事で駄目な状態なんだ」
「全く、自由と平等とか言いながら、人種差別するとは酷い連中だ」
「全くだね」
此処でカリンを家で育てるのは、テンプレなんだよね。けど可哀想な境遇のままであの性格になったのであれば、そのままの君で居てだけど、やっぱり可哀想だから、我が家で面倒見る事にしよう。シェーンコップには当分逢わせないようにしよう。
「キャゼルヌ先輩、その子家で育てます」
「リーファ、お前結婚したばかりだろう、俺としては嬉しいが、新婚家庭に子供は難しいんじゃないか?」
「いえ、家と言っても実家で育てます。父も母も、兄や私が家を出たので寂しがってますし、それに父の策略で、私の官舎が何故か、将官地区で実家の直ぐ近くなんですよね。それならば、一緒に面倒みられますし、それにご存じと思いますが、家は父の母が帝国からの亡命者ですから。その子も疎外感が無いと思うんですよ」
「うーん、しかし元帥やお母上は納得するのかい?」
「一寸連絡してみますね。父は今の時間なら宇宙艦隊司令本部に居るはずですから」
『司令官閣下はお昼寝の時間です。敵襲以外起こすなとの指示ですが』
「良いから起こして頂戴、娘の一大事だと聞けば納得するから」
『はぁ』
「リーファ無茶やるな」
「全くだ」
暫くすると、TV電話にロボス元帥が現れた。慌てたようで寝癖が未だ直っていない。
『リーファなにかあったか?』
「おはようございます。ロボス元帥閣下」
『うむ』
「お父さん、子供欲しく無い?」
『は_?』
ロボス元帥からはキャゼルヌもヤンも見えない状態である。
「子供が
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