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異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
謎の少女
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雷が降ってくる。
それも黒い力だ。
以前の世界では戦わねばならなかったその力が、今回は俺たちの“味方”であるかのように降り注ぐ。
それと同時に黒い煙のようなものがその親玉の所から吹き上げていく。
黒々としたそれだが周囲に広まり霧散していく。
そして段々にこの親玉の形が変化をしていく。
アイスクリームが溶けていくように、崩れ落ちていく。
再生する機能すらも止まってしまったようだ。
子の親玉に使われている“闇の魔力”を使った機能が“停止”しているのだろうか?
そう俺が思っているとそこで、崩れ落ちる親玉の後ろに、一人の少女が見える。
白いドレスのようなフリルの付いた服に金色の刺繍が施されていて、髪は濡れたように長く黒い漆黒、そして鮮やかな赤い瞳で紙に赤い石の飾りをつけている少女だった。
しかも恐ろしく静かで美しい。
レオノーラがかすむような少女だった。
彼女は無表情にその場所に立って、崩れ落ちていくその敵を見ていて……そこでようやく俺に気づいたらしい。
不思議そうに俺の方を見て、それから完全に親玉が消えた所でまっすぐに俺の方に歩いてくる。
ゆっくりとした足取りの彼女。
どういうつもりか? 敵か味方か? そう俺は考えながらも様子見をしていると俺の目の前に立ち、じっと俺の方を見てから彼女は一言呟いた。
「プロセルピナちゃんのにおいがする」
「え?」
「……」
そこでそう呟いたかと思うと目の前の美少女が俺に抱きついてきた。
女の子に抱きつかれるという未知の体験をした俺は、どうすればいいのか分からずに凍り付いた。
どうしよう、どうすれば。
固まっている俺のすぐそばでエイダとレオノーラが声をあげていたが、そんなものは気にも留めず、少女は俺の胸に顔をうずめて、顔をこすりつけるようにして、
「……あんしんする、かも」
そう俺に告げると同時に、彼女は倒れ込むように俺に体を預けたのだった。
突然現れて抱き着いたまま倒れた少女。
とりあえずこのまま放置しておくわけにもいかず、襲撃のあった宿屋に一度戻ることにした。
とらえておいた“闇ギルド”の連中の件もあるが、屋内でこの少女を休ませた方がいいのではといった話になったのだ。
どのみち監視は続いているようなので、どこでも俺たちは襲われる危険性があるのと、先ほど親玉を倒したので次の作戦を彼らも練るだろう……といった安易な考えからいったん宿に戻る。
案の定、捕らえておいた“闇ギルド”の人達は姿が消えていた。
とりあえず俺は部屋に戻り、手助けしてくれた彼女をベッドに横たえる。
随分と疲れ切っているらしい。
起きるまで様子を見用と俺は思っ
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