暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ゲスエロス
19話→兄と弟(後編)
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
る」

「…………ここで?」

言外に『ここで中身を見せて良いのか』と伝える自分に、頷きが返される。

それに答え、一夏は短く『解錠』の言葉を唱えた。

「変形(トランスフォーム)」

言葉と共に、ペンダントから光が溢れる。

(あれ?おかしいな?)

普段とは異なる動きに困惑する。

これは、『ある部屋』への転送装置だった筈なのに。

一夏の困惑をよそに、ペンダントは要求されたオーダーを履行し続ける。

光が収まる。

同時に一夏の前には、純白の鎧が鎮座していた。

「これは…………白式?」

「そうだ。お前に渡したシュミレーターに『自機』として搭載されていた、な」

兄の言葉を受けたと同時に、一夏は、おそるおそる『それ』に触れる。

同時に、胸に着いていたライトのようなモノが光り、機械的な言葉を吐き出す。

『イニシャライズ開始→完了。フィッティング開始しますか?』

「白式、一時停止で。一夏、これを右手に見える更衣室で着ろ」

そう言うと、黒いライダースーツのようなものを、太郎は一夏に投げ渡した。

それを掴み取りながら、ジト目で問いかける一夏。

「兄貴、何コレ?」

「後でまとめて説明してやんよ」

説明なしに次々と、物事を進める兄に呆れ気味に聞くが、太郎の方はどこ吹く風。

ため息をつきながら、久しぶりの太郎のムチャぶりに頷きを返した。

着替え自体は別に難しく無かった。

さっさと着替えて元の部屋に戻る。

すると、先程までスーツの兄の服装が一変していた。

黒を基調とした、戦国時代の鎧のようなものを来ている。

(ナニコレ?こすぷれ?)

首を捻る一夏に、太郎は笑いながら答える。

「ははっ、少しは新聞読んどけよ。こいつは『打鉄(うちがね)』っていう日本のISさ」

そう答える兄に更に疑問符を浮かべながら、近寄って尋ねる。

「兄貴、ISって女にしか使えないんじゃ…………?」

その疑問に、太郎は一夏の手首を掴み、白式の胴体に一夏の手のひらを押し付けるようにしながら答えた。

「世間の言うことを鵜呑みにしちゃー、いけないぜ。正確に言うと、『白騎士事件』前に正式登録されていた人間以外は、という但し書きがつく」

その言葉と共に、手のひらをつけた白式が分解され、一夏の全身を覆う。

「つまりは、だ」

全身にISを装着した一夏に太郎は言葉を続けた。

「俺以外に、お前と俺のダチの一人は、『例外』だ。まあ、正確に言うと、俺のダチは一つしかつけられんがね」

世界のバランスを変える言葉を、さらりと太郎ははく。

「うん?…………えええ!?」

分かりやすく混乱する一夏に笑いながら、太郎は一
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ