19話→兄と弟(後編)
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る」
「…………ここで?」
言外に『ここで中身を見せて良いのか』と伝える自分に、頷きが返される。
それに答え、一夏は短く『解錠』の言葉を唱えた。
「変形(トランスフォーム)」
言葉と共に、ペンダントから光が溢れる。
(あれ?おかしいな?)
普段とは異なる動きに困惑する。
これは、『ある部屋』への転送装置だった筈なのに。
一夏の困惑をよそに、ペンダントは要求されたオーダーを履行し続ける。
光が収まる。
同時に一夏の前には、純白の鎧が鎮座していた。
「これは…………白式?」
「そうだ。お前に渡したシュミレーターに『自機』として搭載されていた、な」
兄の言葉を受けたと同時に、一夏は、おそるおそる『それ』に触れる。
同時に、胸に着いていたライトのようなモノが光り、機械的な言葉を吐き出す。
『イニシャライズ開始→完了。フィッティング開始しますか?』
「白式、一時停止で。一夏、これを右手に見える更衣室で着ろ」
そう言うと、黒いライダースーツのようなものを、太郎は一夏に投げ渡した。
それを掴み取りながら、ジト目で問いかける一夏。
「兄貴、何コレ?」
「後でまとめて説明してやんよ」
説明なしに次々と、物事を進める兄に呆れ気味に聞くが、太郎の方はどこ吹く風。
ため息をつきながら、久しぶりの太郎のムチャぶりに頷きを返した。
着替え自体は別に難しく無かった。
さっさと着替えて元の部屋に戻る。
すると、先程までスーツの兄の服装が一変していた。
黒を基調とした、戦国時代の鎧のようなものを来ている。
(ナニコレ?こすぷれ?)
首を捻る一夏に、太郎は笑いながら答える。
「ははっ、少しは新聞読んどけよ。こいつは『打鉄(うちがね)』っていう日本のISさ」
そう答える兄に更に疑問符を浮かべながら、近寄って尋ねる。
「兄貴、ISって女にしか使えないんじゃ…………?」
その疑問に、太郎は一夏の手首を掴み、白式の胴体に一夏の手のひらを押し付けるようにしながら答えた。
「世間の言うことを鵜呑みにしちゃー、いけないぜ。正確に言うと、『白騎士事件』前に正式登録されていた人間以外は、という但し書きがつく」
その言葉と共に、手のひらをつけた白式が分解され、一夏の全身を覆う。
「つまりは、だ」
全身にISを装着した一夏に太郎は言葉を続けた。
「俺以外に、お前と俺のダチの一人は、『例外』だ。まあ、正確に言うと、俺のダチは一つしかつけられんがね」
世界のバランスを変える言葉を、さらりと太郎ははく。
「うん?…………えええ!?」
分かりやすく混乱する一夏に笑いながら、太郎は一
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