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月夜のヴィーナス
第六章
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ーはそれを作品に描いてね」
 脚本、そして音楽にだ。
「そのうえでだよ」
「あの舞台みたいにですね」
「エリザベートとヴェーヌスが一人の歌手が歌う演出もあるんだよ」
「いや、ワーグナーは凄いですね」
「そうしたことまで音楽に描いたんだからね」
「はい、まさに天才ですね」
「いや、天才とは言っては駄目だよ」
 部長はここでこう僕に注意してきた。
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