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NARUTO日向ネジ短篇
【偽らざる夜更け】
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のは、負傷しているらしい片腕に包帯を巻まいたセミロングの女のようで、気配を消した上で急に現れたネジに驚いた様子で振り向いた。

……忍び連合の額当てはしているようで、着用しているものから察するに砂隠れの者らしい。


「お前……ここで、何をしている」

「医療部隊の拠点に侵入し、医療忍者が数人殺されたと聞いて犯人を見つけようとしていたのよ」

「その負傷した腕で、か?」

「えぇ、ここの医療忍者には世話になったから、少しでも恩返し出来たらと思って」

「──そうか、邪魔をしたな」

 ネジは背を向けて他を当たろうとした──刹那、女はネジの背に深々と小太刀を突き刺した──かに思われたがそれは変わり身の術で、ネジは既に女の背後を取り強力な柔拳を叩き込み女は声を上げられもせずにうつ伏せに倒れた時、姿がじわじわと変化し昼間大軍で押し寄せた白ゼツへとその正体を露にした。

「えっ、白いゼツが、チャクラを見破れないようにこちらの味方に変化していたというの……?」

 シズネとサクラがその場に駆け付けた時には既に事は終わっていて、倒れ伏している存在にシズネが目を見開く。

「こいつはただ変化していたのではなく、その人物のチャクラそのものの姿に成りすました可能性が──」


 ネジはその時ハッとした。

自分は白ゼツに背後を取られ一時拘束された上に、頭からチャクラを吸われていたではないか。

だとすれば───


「ネジさん……?」

「俺はすぐにここを離れて第二部隊に戻る!」

 サクラの呼び掛けにネジはすぐにそう答え、医療部隊の拠点から足早に出て行く。




「──何か、近づいて来る…! あれは、ネジ兄さん……!?」

「はァ? もう戻って来たのかッ?」

 月が時折雲間から覗く深夜、第二部隊の見張り区域に近づく者を白眼でヒナタが捉え、キバと赤丸も匂いで感知した。

「皆無事か…!?」

「何があったの、ネジ兄さん」

 普段冷静な従兄の緊迫した様子が気に掛かるヒナタ。

「医療部隊の拠点が夜襲を受けた。事態はすぐに収束したが、やはりどの部隊もいつ襲撃されてもおかしくはない……。だからすぐ戻って来た」

「どこ居たって気が休まらねーか……。これが戦争なんだな」

 ため息混じりに言うキバ。


「──ヒナタ、少しの間でいい。二人だけで話したい事がある」

「え…?」

「おいおい、こんな時に何だ?」

「こんな時だからだ。……頼む、ヒナタ」

 茶化し気味のキバをよそに、憂いを帯びた表情でネジはヒナタを見つめる。

「うん……いいよ、ネジ兄さん」




 他の者達から距離を置き、月明かりの元荒涼とした場所に二人きりになる
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