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リング
51部分:ローゲの試練その五
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「どうやら」
「全てがそうだ、あの男は」
 彼はまた言った。
「その全てが不明だ。その正体は謎に包まれている」
「ですが一つだけはっきりしていることがあります」
「わかっている」
 彼はフルトヴェングラーのその言葉に応えた。
「この銀河を征服せんとしていることだな」
「はい」
 フルトヴェングラーはその言葉に頷いた。
「それだけは間違いないかと」
「少なくともあの男にこの銀河を渡すわけにはいかない」
 ローエングリンの声が毅然としたものとなった。
「そうなれば恐ろしい世界になるだろう」
 彼はそう感じていた。クリングゾルから放たれる魔性から。それを防ぎたくもあった。
「だからこそまずはミュンヘンを占領する」
「はい」
「それから帝国軍を退けこの辺りの星系を全て掌握する。そして力を蓄えるぞ」
 それが彼の戦略であった。
「帝国に対抗する為に」
「わかりました」
「ではこのままミュンヘンに向かう」
 彼の戦略はまずそこからであった。
「いいな」
「了解」
 こうして行動が進められていった。そしてローエングリンの艦隊は予定通りミュンヘンを占領したのであった。

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