ダン梨・G
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口に押し込められた。
瞬間、即座に目の前の存在に狙いを定めたミノタウロスの苦し紛れの振り払いがベルに直撃し、吹き飛ばされた。だが人間は殴られた瞬間ではなく地面に衝突したときダメージが真に肉体を破壊する。ベルは当たりが軽かった為に地面に衝突しながらもギリギリで体制を立て直した。
その頭部はどこかで切ったのか血が溢れ、純白の頭髪が深紅に染まる。
だが、気力だけで繋ぎ止めた意識でベルはナイフ片手に立ち上がった。
「バミューダァァァァァァーーーーーッ!!!」
「――『乱れ咲け』ぇぇぇッ!!!」
「ヴガ……ッ!?!?」
瞬間、ミノタウロスの顔面が大きな火の玉となって爆発した。
詠唱直前に退避したとはいえ時間に余裕がなかったため、自分の魔法の爆風に煽られ背中から振り出される。直後、地面に激突。あばらと腰からミシリと嫌な音がし、肺の空気が一気に吐き出される。ぐらつく頭をしかし、俺も気合で押さえつけて立ち上がる。
「まっ、だだッ……!」
まだミノタウロスは死んでいない。爆発しただけだ。魔石を砕かない限り――。
「――――■■■■■■■■■■■――――!!」
ほら、まだ生きてる。
しかしもう無駄だ。俺の視界に映ったミノタウロスは、頭の上半分が消し飛んで下顎と喉しか残っていない。更に爆発の影響で上半身全てが火傷のように爛れている。今、この瞬間なら――確実に殺せる。俺は最後の一本となった槍をベルトから引き抜き、ミノタウロスの胴体めがけて疾走した。
「これでッ――」
「終わりだぁぁぁぁーーーーッ!!!」
俺の槍がミノタウロスの体の中心――魔石に突き刺さった。
だが、槍はそこで折れた。元々支給品の安物だったのが、吹き飛ばされてガタが来ていたのだろう。ただ、まぁ、俺が槍を刺したのは念のためのダメ押し程度のもので――本当の本当に止めを刺すのは、俺の反対側でヘスティア・ナイフを突き刺しているベルの魔法だ。
勝ったぞ――そう思いながら俺はほくそ笑んでその場を離れ――。
「ファイアボルトォォォォーーーーーッ!!!」
俺たちの最強の怨敵――牛の怪物ミノタウロスは、体の内側から迸る灼熱の雷に焼かれて爆散した。
= =
さて、死闘を繰り広げてた俺らなのだが、実は横からロキ・ファミリアの面々+リリにばっちり見られていた。闘ってる最中ってアドレナリンドバドバで前のことしか見えてない男という生き物は、周囲の目には鈍感である。ちなみに女性は怒ると視界が広がり観察力がアップするらしい。医学的にマジの話だ。ずるい。
で、当然というかあんだけ死闘を繰り広げると歩く体力も失せてきて、今は運搬中され中だ。ベルはアイズ何某に、そして俺は何故か完熟トマトの人こ
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