第六章
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「俺日本のプロ野球もチェックしてるけれどな」
「いつもここぞって時に負けるからかな」
「それが毎年だからな」
だからだというのだ。
「あのカブスより酷そうなジンクスどうにかしないとな」
「若し大谷がいてもなんだ」
「阪神は勝てないだろ」
「阪神って本当に凄いみたいだな」
「ああ、グレイトなのが憑いてるチームみたいだな」
トーマスとホセも言う、今もすき焼きを熱心に食べてそうしながら。
「大谷やすき焼きとはまた違った意味で凄いみたいだな」
「そうだな」
「うん、阪神は凄いチームだよ」
智一も悲しそうな顔で認めた、そうするしかなかった。
「何しろ本当にいつもここぞって時に負けるから」
「いつもか」
「それは本当に凄いな」
「冗談抜きでカブス以上か？」
「だとすると何か憑いてるのか」
「そうかもね。しかし本当に阪神にいてくれたら」
大谷、彼がというのだ。
「嬉しいのにね」
「大谷いても優勝出来なかったらどうするんだよ」
「その時は」
「本当に有り得そうだぞ」
「そのケースもな」
「ありそうだね」
智一はトーマスとホセの言葉を否定出来なかった。
「これまでもそうだったし」
「すき焼きも大谷もいいけれどな」
「阪神はよくないみたいだな」
「今年もどうかな」
「ああ、負けたぜ」
先程の日本のプロ野球をチェックしている友人が自分のスマホを観てそのうえで智一に対して言った。
「カープに十四対一でな」
「えっ、酷いね」
「これは本当に酷い負け方だな」
「カープには毎年なんだよね」
負け越しているうえに試合の負け方も酷いというのだ。
「負けてるし負け方もね」
「酷いんだな」
「そうなんだよね」
こう彼に言うのだった。
「どうしたものかな」
「まあ気を落とさずにな」
「すき焼き食って気を取り直そうぜ」
「阪神もそのうち優勝出来るだろ」
「何時かはな」
トーマスとホセは阪神のことで落ち込んだ智一にを慰めて言った。
「すき焼き美味いしな」
「このすき焼き食って元気になろうぜ」
「そうなるよ」
智一も頷いてそのすき焼きを食べた、そのすき焼きは確かに美味くて彼も今は阪神のことを忘れられた。そうして今は阪神もついでに大谷のことも忘れて美味い彼の家の作り方を再現したそれを楽しむのだった。
スキヤキ 完
２０１８・５・２９
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