第百九話
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ると、十数人の武装した人間を見つけた。
「誰だ貴様!」
銃口が一斉にこちらを向く。
「お前達が殺した夫婦の息子だよ」
「貴様…オリムラ・イチカだな!」
「ああそうさ!お前達に親を奪われた哀れな子供の一人さ!」
インジェクタービット、量子展開。
周囲に五寸釘のようなピックが多数現れる。
「お前達は楽には死なせん…! 死ぬよりも辛く惨めな生を!絶望の中で送れ!」
インジェクタービットを射出し、ヴィーティングの私兵一人一人に突き刺す。
「撃て!」
銃口が光り、数百発の銃弾が飛んで来る。
ダブルバウンドはまだ早い…
「ディーセラレーション・ワールド」
目の前で銃弾が動きを止める。
まるで見えないクッションにエネルギーを奪われたかのように…
この間もインジェクタービットを突き刺し続ける。
そうして、全員にインジェクタービットの中身…超々高性能医療用ナノマシンと吸血鬼の血液が奴等の体の中に入った。
「サハリエル」
奴等へ強力な恐怖心を生じさせる。
「ソウル・クルシフィクス」
奴等の感じる痛みを増幅する。
「インフィニティ・モーメント」
奴等の体感時間を百倍にする。
「ダブルバウンド」
放たれた全ての銃弾を、『跳ね返す』。
きっと奴等には、とてつもなく遅く流れる時間の中、徐々に銃弾が迫って来ているように感じるだろう。
どうだ? 怖いだろう? 恐ろしいだろう?
お前達は銃の怖さをしっているだろう?
目の前に迫る銃弾は怖いか?
ブチュ!びちゃっ!と生々しい音が響く。
俺からすればたった一瞬。
だが、奴等は自信の肉体に銃弾がめり込み肉を裂き骨を砕き内臓を突き破られる苦痛を…
その全てを、一瞬一瞬を味わっただろう。
「ぎっ…あぁぁぁぁぁっ!?」
「ぐあっ…!」
叫び声が、うめき声が響く。
地下通路に、血が飛び散った。
「集束しろ」
放った弾丸を、再び集める。
奴等の肉の奥深くへ食い込んだ弾丸が、ゆっくり、ゆっくり肉を掻き分ける。
「あああああぁぁぁぁぁっ!」
「やめろっ!助けろ!」
「ヴィーティング様!どうか!どうかぁぁ!」
苦悶の声が響く。
助けを求める声が響く。
「助け?来る訳ないだろう?お前達の声はヴィーティングに届かない」
俺が届かせない。
あの女を仕留めるのは後だ。
「この恐怖を、未来永劫魂に刻め!」
集束した弾丸を、ハンマーみたく振り下ろす。
再び弾丸がヴィーティングの私兵達へ突き刺さる。
何度も何度も。
弾丸を突き刺し、その都度弾丸を抜く。
頭、心
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