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翠碧色の虹
第二十九幕:思い込みの虹
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とお話できるだけでも嬉しいから」
七夏「柚樹さん、写真機持ってませんでした・・・」
時崎「え!?」

七夏ちゃんは気付いていた。俺が写真機と距離を置いていた事を・・・。七夏ちゃんの性格からすると、今更驚くことではない。

七夏「夕食の時・・・」
時崎「ああ、充電! 電池の残量が少なくなってたから、部屋で充電してたんだよ」
七夏「充電・・・」
時崎「だから、七夏ちゃんのせいで写真機を持ってなかった訳じゃないから!」
七夏「・・・・・」

七夏ちゃんに本心を読まれてしまわないかと焦る。その前にいつものように話仕掛ける!

時崎「俺、好きだから!」
七夏「えっ!?」
時崎「写真の事!」
七夏「あっ! ・・・くすっ☆」

七夏ちゃんが「いつも」を取り戻してくれて嬉しく思う。さらに話仕掛ける!

時崎「おかえり! 七夏ちゃん!」
七夏「え!? た、ただいま・・・です☆」
時崎「これからも、よろしく!」
七夏「くすっ☆ はい☆」
時崎「ふぅー・・・」
七夏「柚樹さん!? どおしたの?」
時崎「いや、なんでもないよ!」
七夏「私ね、写真を撮られるのは、あんまり好きじゃなくて・・・でも、柚樹さんが写真の楽しさを教えてくれて・・・私も変わらなくちゃって思って・・・」
時崎「七夏ちゃん・・・」
七夏「だからね、また七夏の写真・・・柚樹さんに撮ってほしい・・・です」
時崎「いいの?」
七夏「はい☆ えっと、今・・・お願いできますか?」
時崎「も、もちろん!」

七夏ちゃんから写真撮影を頼まれた。俺は、あの時・・・七夏ちゃんの事を良く知らなかった時と同じ感覚を再び覚え、写真機を持つ手が震え始めていた。

七夏「・・・・・」

写真機のファインダーの中に七夏ちゃんを捕らえる。写真機と目が合うと、一瞬険しい表情になり、俺はこのまま撮影して良いのか躊躇う。

七夏「柚樹さん! ただいま・・・です☆」
時崎「え!?」
七夏「くすっ☆」

改めて、写真機のファインダーの中には、少し懐かしい七夏ちゃんの笑顔があった。俺はその笑顔を無意識に撮影していた。

時崎「・・・・・」
七夏「どしたの? 柚樹さん?」
時崎「あ、いや。ありがとう!」
七夏「えっと、お帰りなさい・・・は?」
時崎「え!?」
七夏「くすっ☆ それじゃ、柚樹さん! おやすみなさいです☆」
時崎「あっ! 七夏ちゃん!」
七夏「はい!?」
時崎「これ!」
七夏「あっ!」

俺は、直弥さんから渡されたバトン「C11蒸気機関車」の模型を七夏ちゃんに渡す。

時崎「よろしく・・・これからも!」

俺は、模型を渡す時、七夏ちゃんの手も一緒に包む。

七夏「あっ! えっと・・・はい☆」

そのまま、しばらく手の温
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