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翠碧色の虹
第二十九幕:思い込みの虹
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。この信号機を設置する事は、それぞれの感覚の違いを、よりはっきりとさせてしまう事を意味する。信号機が分けるのは「進め/注意/止まれ」だけでは無いという事だ。

時崎「この信号機の設置、急ぎますか?」
直弥「いや、特には・・・時崎君が出来る時で構わないよ」
時崎「分かりました!」
直弥「色々と、すまないね」
時崎「いえ。それでは、失礼します」
直弥「あ、時崎君!」
時崎「え!?」
直弥「これを・・・」

直弥さんは、俺が買ってきた「C11蒸気機関車」の模型を差し出してきた。

時崎「あっ! 七夏ちゃんに届けます!」
直弥「よろしく、頼むよ」
時崎「はい。では」

俺は、一礼して、直弥さんの部屋を後にした。そのまま、七夏ちゃんの部屋の前まで来たけど、今、声をかけるべきかどうか・・・いや、凪咲さんや直弥さんは、いつも通りに七夏ちゃんと接してほしいと話していた・・・だったら!

トントンと軽く扉を鳴らす。

時崎「七夏ちゃん! 居るかな?」

・・・少し待ってみたけど、返事は無かった。タイミングが合わない事だってある。そんな時は、自分から合わせにゆけば良いだけの事だ。俺は、後ほど声を掛けてみる事にした。

自分の部屋に戻って、アルバム制作・・・の前に、直弥さんから頼まれた無線ネットワーク機器の事を調べる。既に有るネットワークを無線化する機器があれば良い事になる。俺はMyPadでいくつかの無線ネットワーク機器の候補をブックマークしてゆく。単純に電波を飛ばすだけの機器でよさそうなので、費用もそれほど必要はなさそうだ。
ついでに、先ほど直弥さんから頼まれた模型の信号機についても調べてみたけど、相変わらず高価な商品だなと思ってしまう。信号機設置作業は慎重に行わなければならなさそうだ。無線機器の方は買う機器が決まったら、駅前の電気店へ出かけてみよう。

時崎「21時半・・・か」

少し、MyPadでWebサイトを眺めるつもりだったけど、関連するサイトを次々と見ていたら、結構な時間が経過していた。俺は、あまり遅くならないうちに、七夏ちゃんに声を掛けようと思ったその時−−−

トントンと扉が鳴る。

時崎「七夏ちゃんっ!」

俺は慌てて扉へと向う。今、扉の向こうに居るのは、七夏ちゃんだと分かるから!

七夏「柚樹さん・・・」
時崎「七夏ちゃん! 良かった!」
七夏「えっと・・・その・・・」
時崎「とにかく、中へ・・・」

七夏ちゃんは軽く頷いて部屋の中に入ってくれた。部屋に良い香りが広がる。七夏ちゃんは、お風呂あがりのようだ。

七夏「・・・ごめんなさい!」
時崎「え!?」
七夏「えっと・・・きょ、今日、写真機に驚いちゃって・・・その・・・」
時崎「謝らなくていいよ。こうして七夏ちゃん
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