第二十九幕:思い込みの虹
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」
時崎「こんばんは!」
直弥「時崎君! こんばんは! 七夏は、自分の部屋・・・か」
凪咲「ええ」
直弥「そう・・・か」
凪咲「あなた。それは?」
直弥「これは、模型用品!」
凪咲「そう。ほどほどに・・・ね」
直弥「ああ! 時崎君!」
時崎「はい!?」
直弥「ちょっと、時間あるかい?」
時崎「はい!」
俺は、直弥さんの部屋に案内された。しまった! 無線ネットワークの事を頼まれていたが、まだ何も調べていない。
直弥「すまないね」
時崎「いえ、こちらこそ、すみません」
直弥「どうかしたのかい?」
時崎「まだ、無線ネットワークの機材の事を調べていなくて・・・」
直弥「あ、いやいや。それは構わないよ」
時崎「え!? その事ではなかったのですか?」
直弥「まあ、それも話せればとは思ったんだけど、せっかくだから話しておこうか」
時崎「はい」
直弥「ここに、ネットワークの機器が置いてあるんだけど、これは無線ネットワークに対応していない機器だったと思う。結構前に購入した製品だからね」
直弥さんに言われて、机の隅の方を見ると、ネットワーク機器が置いてあり、機器から明かりが灯っていた。
時崎「確かに、有線のネットワーク機器のようですね」
直弥「この機器に無線機器を追加する方が良いのか、新しい無線機器に交換する方が良いのか、そういうのは時崎君、分かるかい?」
時崎「調べてみなければ、分かりませんが、今の機器が問題なく使えているのでしたら、無線用の機器を追加する方が良いと思います」
直弥「・・・・・なるほど」
直弥さんは、少し考えてから頷いた。
時崎「どうかされましたか?」
直弥「いや、時崎君の答えを聞いて安心したよ」
時崎「え!?」
直弥「すぐに買い換えてしまうという考え方は、物を大切に扱うという事を、ある意味では否定する事になるからね」
時崎「そう・・・ですね。使えるのにすぐに買い換えるという考え方の人もいますから」
直弥「物を大切に考える事が出来る人は、人に対しても同じ事が出来ると思う」
時崎「それは!?」
直弥「七夏と、何かあったのかい?」
時崎「えっ!?」
不意を突かれた! 直弥さんは帰宅してから、七夏ちゃんとは会っていない。にも関わらず、今の俺と七夏ちゃんの距離を、まるで測ったかのように把握しているようだった。俺は正直に今日の出来事を話した。
直弥「・・・そうか。タイミングが悪かったんだね」
時崎「すみません」
直弥「時崎君が謝る事はないよ」
時崎「七夏ちゃんの写真を撮る事が、七夏ちゃんに負担を掛けるのなら・・・って考えると・・・」
直弥「ここ数日、七夏の様子を見ていると、写真に対しての反応が以前と違うように思えたから、負担になっているようには思わないよ」
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